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 2012年05月 

ユーザー魂は残っているか? 

  • [2012/05/28 00:49]

今月に入って急に「ボヤキのファンでした」とか「実は前々から読んでました」とか、「最近、いんごまさんのブログにハマってます」とか、初対面の人に立て続けに言われた。
そういうことは3日と開けず書きまくっていた頃に言ってよと思わなくもないが、その一方でそういう人たちが一人でもいるのなら、忙しさにかまけて放置しっぱなしのボヤキを断固書き続けなきゃならん! という思いにもなった。

「淫語魔」という名前も「淫語AVマニュアル」とともに、昔から知っている人は知っているみたいで、それまでさんざん話した後に、あらためて名刺を渡して、「えーーーー、淫語魔さんなんですかぁーーー。うわー、そうなんだぁー」と、態度が急変して恐縮する場面が何回かあった。
つい、この間もSODの新入社員の人とたまたま飲む機会があって、最後に名刺を渡したら非常に驚かれてしまった。

その彼とまだ「淫語魔」と名乗る前に話していた話。
彼はSODといってもクリエイトの社員ではなく、流通の方の人で、実際にAVを売っていかなくてはいけない立場にある。
自分は酒の席でもあり、年長風を吹かせて少しイジワルな質問をしてみた。

「今の若い人ってさ、AVを買わないよね?」

「ええ」

「つまり皮肉な話だけど、若い20代の君たちがどんなにエロいと思っても、実際の購買層と言われる40代50代のおっさんたちに通用しない可能性があるわけだよね」

「そうなんですよねー。いかに買ってもらうか考えないといけないと思います」

「いやーでも考えても無理なんじゃねぇ? だって君たちはいろんなところでエロをタダでダウンロードして満足してきた世代でしょ? そういうクセをつけちゃった世代なわけで、今さらエロに金を払おうとは思えないんじゃない?」

「そうなんですよー」

こうやって書いてみると間抜けな会話になっているようだが、このSOD社員君は実に熱いヤツで首をタテにブンブン振って相づちを打ちながら、どうすればいいか真剣に考えようとしているみたいなんだな。
だからSODの作品が若者に売れるように応援もしたい。
応援はしたいが実際は悲観的な観測しかできないんだなぁ。

今まで何人かの20代若者に実際に聞いてみたりしたが、彼らの中でAVを買っているやつなんてまったくいなかった。それなのにAV自体は結構見ていたりする。
このボヤキにもちょくちょく「torrent」だとかの検索ワードで訪れる人がいるけど、まさにそういう人たちはAVを買わない。isoファィルで丸ごと流れていたりするんだからね。なぜわざわざ買う必要があるのかってことだ。

AVに金を出している層はオッサンだ。すでにデータが出そろっている。
昨今の熟女ブームも、本当はブームというより、購買層の高年齢化が進んでいるだけだろう。
もともと全体的な売り上げが下がってきている中で、ジャンルとしては「熟女」という括りでも、実際は自分より少し年下ぐらいの色気のある女性を好む人はいておかしくないだろう。逆に自分の娘ぐらいの年の女の子では勃たないという男性もいるかもしれない。

自分からしてそうだもんなぁ。ここ数年で急に二十歳前後の娘が幼い子どもに見えてきてしまってる。
監督面接をやっていると、逆サバで年を水増ししている女優さんなんかもいて、もうそういう時代がとっくにやってきているのだとつくづく思う。

そんなオッサンたちの好みに、金を払わずにタダ見している若者が付き合わされることになる。だって彼らはお金を払わないわけだから、いくら自分の好みのジャンル、嗜好、アングルの作品に出会ったとしても、そこにはお金が落ちていかない。
メーカーとしてはどんなにネット上で評判がよくても、売れなければ作り続けることはできない。そういうネットのみの評判作品は自然と淘汰されていく。
買っているのは、彼らが情弱と呼んでいるBTやShareを扱えない連中である。
つまり今のAVは情弱によって作品の嗜好が決定されているのである。

だけど監督はどんどん若返っていく。
今年もSODクリエイトは新入社員を数人入れた。
そのうちの何人かに会ったが、みな20代の、感性豊かな連中であった。
問題は、彼らがエロいと思っていることが、40、50のオッサンに通用するかどうかってことだ。
若者には若者のエロもあるだろう。しかし彼らがどんなにその世代のエロを代表するような作品を作っても、買って評価してくれる人はオッサンしかいない。
20代はAVを買わないのである。

これって悲劇ではないか。
このままAVはどんどん零細企業になっていくのであろうか。
実際に、今は1000本も売れればとりあえずヒットみたいなことになっている。昔と一桁も違うらしい。
でもその1000本ぐらいしか売れていない作品であったとしても、実はその何十倍の人にその作品を見られていたりする。それなりに売れている女優の作品なら10万に近い人間がダウンロードして観ている。100倍以上だ。すべて流れているのである。ネットさえつながれば大手メーカーの作品はタダで手に入るのである。なんなら中国語の字幕までついて。
それが今の現状なのだ。

でもよくよく考えてみると、この何十倍の人の中には若い奴だけではなく、30代40代もいるだろう。そしてその中には今までAVを買っていたが、徐々に買わなくなっていった人もいるに違いない。
この人たちを再び買わせるようにするのは、そう容易い話ではない。
果たして違法ダウンロードの罰則化ぐらいで戻ってくるかどうか。

ところで自分は未だに観たいAVは買っている。
ライターの仕事でたくさんのAVは観ているが、必ずしも自分の観たい作品がくるとは限らない。またサンプルもその気になれば手に入れられるだろうが、向こうがあえてくれない限りは、買ったり、レンタル店で借りたりしている。

この前、CAのプロデューサーに聞かれたので、正直にそう応えたら「さすがですね」と言われた。
そのときは深く考えなかったのだが、今思うと自分はAVを借りたり買ったりするということが当たり前の行動になっているのだ。買ったりすることがもったいないとは思わない。むしろ買わなきゃわからない心理というのは絶対にあるのだ。

AVユーザーってやはり特殊な人種だと思う。制作をしている人間で自分のように買ったり借りたりしている人って珍しい。
最初からユーザーであったことすらない人もいる。いやむしろそちらの方がほとんどだろう。だから、実はユーザーマインドってヤツがよくわかってないんじゃないかと思うことがある。
この半年あまりの自分のフラストレーションの殆どはそれだったりする。
所詮はまだ素人みたいなもんだからね。もっと力をつけなきゃ。

さて自分が関わった淫語モノなんだけど、6/1発売の「好色三人女2」はCountしたら北川エリカも市松さゆりもそんなに淫語を言っていなかった。やはり最初に撮っていたヤツはちょっと少ない。
その代わり、大堀香奈はそこそこ言っていた。
そんなこんなで、淫語成分はそのうちマザーズのブログに載せるつもり。
淫語ファンはそれで判断してください。

むしろ6/8発売のLADY×LADY作品「女好きの女」はレズ物だけどたくさん言っている。ただし男性器はレズだからほとんどない。逆にオマンコ淫語好きの人はいいと思う。特に愛内希は打ち合わせの段階で本当に「おまんこ」が口にできなくて、それで管野しずかの心に火をつけたという女神降臨エピソードがある。
この話はここでするしかないからいずれ書くわ。

まぁまたちょこちょこボヤキの方も書きますよ。
どうやらAVとはまったく関係ない「淫語魔の日常」を好きな人もいるみたいなので、そんな話もいずれ書いてみようかと。

そうそう、最近、涼宮ハルヒにはまっていてね。
この間から、大阪の桜ちゃんに嗤われっぱなし。

でも読んでいて思ったけど、売れるのにはわけがあるね。この谷川流って人、ベストセラー作家になって当然の人だと思う。

まぁそんな話もボチボチ書いていきますよ。
なんとかこっちもがんばなきゃ。