今年の締めくくりはアナルにカメラ 

  • [2013/12/31 04:23]

今年中に花房観音の『恋地獄』について、なんか書こうと思っていたのだが、書いている途中で下血して病院に行き、そのまますぐに内視鏡検査をすることになってしまった。
肛門からカメラを入れられて大腸の中をまさぐられたわけだが、尻穴に管を入れられたときは、これまでマザーズの作品の中で数々の男優、応募素人さんたちのケツ穴を掘った因果かと思ったりもした。
とりあえず癌もポリープもなく事なきを得たが、まあ働き過ぎなんだろう。家で寝るより、会社に泊まって寝ることが多い一年であった。

というのも今年、マザーズは春先の売り上げがとても悪く、かなりのテコ入れをしないとまずい状況に陥った。その上、急に人がバタバタと辞めたりして、結果的に2人分の仕事をさぜるえない。
ただでさえ業務が多いのに、それが2人分である。
端から見たらブラック企業のなにものでもないなと思いながらも、船が沈まないように身を粉にして働いた。

その甲斐あってか、全体の売り上げの方はその後、ほぼV字に回復していった。
特に夏に新たに作ったレズメーカー「レズれ!」が好調な滑り出しをみせたのが大きい。そこでの成功がマザーズ本体にも心理的影響を及ぼし、なんとか笑って年を越せるまでになった。

だが仕事の成功はそのまま仕事量に跳ね返ってくる。
8月などはお盆休みどころか、土日も休めないほど仕事に邁進せざるえなくなった。
それが10月まで続き、ようやく休みらしい時間がとれたのが11月。それでもいったんタイミングを失うとやはりずっと休めない日が続く。
仕事自体は楽しいので気持ちとしては苦とも思っていないのだが、年齢も年齢だけに体の方がついていかなかったのだろう。この年の瀬に来て体調を崩すこととなった。
おかげで1週間、自分は仕事を休み、業務はストップである。
自分がいないとこうなっちゃうんだなぁとあらためて零細メーカーの弱点を見せつけられた。

来年も新たな展開が待っている。
AV業界的には作品が売れなくてどこも大変だが、うちはメーカーとしてなんとか売り上げを維持しつつ、他業種との連携で市場拡大を図っている。その一つの形が「プロステート・ギア」というアナル玩具なのだが、これがまた今のところ好調な売れ行きを見せているらしい。
こういう異業種間の仕掛けは来年も続く。すでに種は蒔かれていて、今から芽が出るのを心待ちにしているものもあるのだ。

こんなふうにマザーズの仕事の方は調子がいい。そのせいでワーカホリックになりかけたとしても、そのことについてはまったく不満はない。苦労した分の成果はちゃんと数字に表れているからだ。
しかし問題は自分自身の来し方である。
アナルにカメラを突っ込まれる前日、お腹の中を空っぽにするために下剤を飲んでうんうん唸りながら、やはり自分はこのままでいいのかと、トイレで脂汗をかきながら考えていた。

そもそも自分がやりたかったことはAVのプロデューサー業務だったのか?
これはこれで楽しいのではあるが、やはり文章を書いたり、いろいろ思考してそれを形にすることの方が自分は性に合っていると思う。いずれは本来あるべき自分の姿に戻りたい。
それと淫語を使ったなんらかのエロスをやりたい。別に大して金にならなくてもいいのだ。もともと趣味が高じて始めたのが淫語AVマニュアルなのだから。

そんなこんなで、淫語魔の原点であるこのサイト運営をどうしたもんか、それが来年の課題である。
ボヤキには昔のようにAVのレビューやら書評やらを頻繁に書きたいし、淫語AVマニュアルの復活もしたい。
自分のブログも書けないような忙しさなんて、やはり異常だ。そこからなんとか脱したい。
マザーズは3年目、淫語AVマニュアルは8年目。あと2年でなんらかの決着はつけたいよね。

美熟女ドキュメント 結城みさのすべて 

  • [2013/12/16 10:10]

2013年1月、HMJMにほど近い公園でのインタビュー。
結城みさのすべてはこんな会話から始まる。

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今田
今日は根掘り葉掘り聞きますよ。
結城
こわいなぁ。
今田
こわかねぇだろ、センセイ。ざっくばらんに。
結城
そうですね。力入れずに…。
今田
そうだね、力入ってない結城さんって見るのは久しぶりかもしれない。
結城
(アッハハハ…)
今田
なんだろーこの感覚って思ってたらそれかもしんない。けっこうシャキってするよね、痴女とか。
結城
そうですね、だからけっこう、「結城」っていうベールがけっこう厚くて、なんか素のアタシを見てみんなビッ…、なんだろう、「あっ、こーんな感じなんですか」みたいな。実際に会って、ファンの人も。「あっ、こんな気さくなんですね」って言われて。
今田
そうだよねー。
結城
そう、なんかもっとね、なんかツンツンしてたりとか、あとあんましゃべんないイメージがあるみたいで…。
今田
ああ…、結城さん、おしゃべりだもんね。
結城
そう、おしゃべり(笑)

これは「美熟女ドキュメント ○○のすべて」という一連のシリーズで、裏表紙には「誰も見たことのない結城みさの素顔を探して」と、シリーズを通しての常套句が書かれてある。

結城みさが「ツンツンしてるとか、あんましゃべんないイメージがあるみたいで…」と述べているが、これは何も結城に限ったことではないだろう。シリーズで取り上げられた「風間ゆみ」「村上涼子」「北条麻妃」などの熟女優にしても、実際に話したことのないユーザーからすれば、キャラ的に近寄りがたいところがある。

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「熟女」AVは、保守的な女性のキャラ設定にされることが多く、たとえば貞淑な妻だったり、母性あふれる義母だったりと「大人の女性」を求められる。そういった固そうな女性との卑猥な行為に背徳的なエロスが醸し出されるわけである。
それは何もドラマに限ったことではないらしく、結城も今田とのやりとりの中で

「あのー、今まで数々まぁドキュメントとか出てますけど、いちおうちょっと、背徳感があるようにいってくださいとか、あって、言ってました…」

と、熟女ジャンルの女優が素をなかなか見せられない事情を述べている。

しかしまさにそのあたりの部分をタートル今田はこのシリーズで巧みにくすぐっていくのであるが、その持っていき方が絶妙にうまいと思う。
風間も村上もはしゃいでいる感じがとてもいいのである。
なぜ彼の手にかかるとこうも可愛らしくなっていくのか。時に、タートル今田に本気で恋しちゃっているんじゃないかと、邪推しそうないちゃつきぶりが映し出されたりもする。

さて今回の作品の流れであるが、基本的に他のシリーズ作とパターンは同じである。

1.「みささんについて」
※公園でのインタビュー。
2.「目隠しとお気に入り」
※結城みさの好きな男優を呼び出して目隠しをさせ、指名相手を当てさせる。
3.「みささんの思い出#01」
夜、同棲をしていたという思い出のマンションを訪れる。
4.「艷女とアルコール」
※その夜、程ない場所のラブホテルでハメ撮り。
5.「みささんの思い出#02」
※翌朝、元彼とよくデートした江ノ島が見えるマリーナ。
6.「サヨナラのハメ撮り」
※昼、その近くのラブホテルでのハメ撮り。

2の「目隠しとお気に入り」はバラエティー色の強いコーナーである。
あらかじめ結城みさにお気に入りの男優を指名してもらいオファーをかける。
男優たちは誰に呼ばれたか知らされぬまま現場入りし、目隠しされた状態で登場。結城はいっさい声をださないようにし、キスやボディータッチだけで自分を当てさせるというゲーム。当たった男優は結城とセックスができる。

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タートル今田はハメ撮り監督ではあるが、作品の中にドキュメンタリーとは異質のコーナーを挿入することがある。たとえば「卑猥なマドンナ」というシリーズでは、その女優の過去を振り返る再現ドラマを入れてきたりする。
当然、そのコーナーでの絡みは男優を使ったもので、ハメ撮り作品のもつ2人っきりの濃密な空気は流れていない。監督なりに意図があるのだろうが、自分などは作品の流れがプッツリと切れてしまって、集中してみていられない場合が多く、1ユーザーに過ぎなかった頃は正直すっ飛ばして見ていた。

しかしこの「結城みさのすべて」でのこのコーナーは、うまく結城みさの人となりが出ていて、後に続くハメ撮りまでの雰囲気をそれほど損なってはいない。
単純にそれは自分が結城のファンだからという理由によるものかもしれない。
でもそれでもいいのである。何度も言うがこの作品は結城みさのファンが結城の横顔を見たくて見るビデオなのである。

結城みさが選んできた男優の森林原人と中野クンとのやりとりは、たとえば2人とも何回も答えを外して、結城みさが「指名したのに、わかんないってひどいよーーー」とふくれっ面になったり、森林原人の往生際の悪い態度に押し切られ、最終的にとんだ事態を招くことになるその優しい性格も、普通では観られない結城みさの側面を見せてくれている。

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それは「みささんの思い出#01」「みささんの思い出#02」でも同じことで、結城にガングロギャルの時代があったことや、若いときは恋に生きていて、少しでも一緒にいようと「どこにいるのか、早く帰ってこないのか」と相手に聞きまくっていたようなことなど、今の結城みさから想像もつかないような過去が明かされていく。
結城に興味のない人間が、結城の同棲していたマンションに行ったり、結婚をする気でいた彼氏との思い出話を聞いても興は乗らないだろう。

それらの部分が引き出されることで結城のファンは、それに続くタートル今田の絡みを半ば嫉妬混じりでドキドキしながら観ることになるのだ。

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4の「艷女とアルコール」のホテルでの本番は、結城みさにチャイナ服と穴あき網タイツを着せて、お酒を飲ませる。ほろ酔いになった結城みさは艶めかしい。
だがいよいよキスをする段になって、今日、何回も見せている照れ顔の結城みさがさらにカワイイ様相を呈する。
その結城に、これまたとぼけた容貌の今田がからむ。今田のしゃべりはスローモーなのだが、それがまた妙な間を作って緊張感を与える。
結城の照れ隠しの混じった笑い声が徐々に消え、ゆったりとした流れから急に熱のある絡みへと突入していく。

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さて商業用のレビューならこのまま次の話に持っていくんだろうが、ここはボヤキの小窓、やっぱりこれは言及せざる得ないだろう。
あえて口調も変えさせてもらおう。

これはボヤキの小窓ではずっと書いてきたことなんだけど、ハメ撮りとか主観AVとかでさ、男の方に顎髭とかあるのはダメだと思うんだよね。不潔感丸出しでさ。画面いっぱいに男の髭が映ったりするんですよ。自分は実際にタートル今田に会っているので、まだ拒絶感が少ないんだけど、あえて言わしてもらうと剃るべきだよね。

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自分も立ち位置がAVを作る側にずれて、正直、鈍感になってきているところがあると自覚しているんだけど、それでもやはりヌク側のことを考えると髭があるのは気に入らないのだよ。実際、自分が関わった主観ビデオを撮る現場では、直前に髭を剃って貰ったことが何回かあった。名前の通った男優だからといって容赦はしなかった。

こっちは金出してオナニーをしようとしているんだからさ。余計な夾雑物はできるだけなくすのが基本でしょ。
髭というのは顔にアクセントをつけるために伸ばすわけで、なんでAV女優が中心の作品で、わざわざ髭をはやして出てくるのか。そういう心遣いって、AVユーザーだったことのない人間にはわからないのだろうかねぇ。

この問題は、たとえばほかにもハメ撮り中、いいところでピンボケになったり、蛍光灯のフリッカーが出ていて画面がチラチラしていたり、観ていて気になるところもあるのだが、そういう撮影・編集の巧拙なんかよりも、自分にとってははるかに大事な問題なんだな。
それがわからないとしたらもはや今田監督はAVに何十万も出して淫語をカウントして過ごすようなAVユーザーの気持ちがまったく理解できない人間ってことになる。
でもかつての自分みたいなユーザーが今でもAVを支えているんだと思う。そういう人間がちゃんとお金をだして観ても損させないAVを作ってほしいんだ。

もっとも、これはフォローのつもりで書くわけでもないが、いったんこのフォーマットに慣れてしまった人間はタートル今田の髭があまり気にならないのかもしれない。
シリーズ作の強みというのはそういうものだと思う。
それほどこのシリーズは作品的に完成しつつある。

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最後のハメ撮りは、結城に目隠しさせて、電マを使ったオナニー。感情が高まってきたところでのローターを当てる。
「もっと気持ちよく?」
「して……」
電マを取り上げてあてる。
そこへ自らの陰茎を近づける今田。鼻先でしごく。
「ああ、いっちゃう、いっちゃう」
「だめ、入れてぇ」
クリにローターを当てながら正常位、バック、寝バックで騎乗位。
「おかしくなっちゃうから、きて…」
正常位にもどって「おまんこいっちゃう、マンコイイ」とつぶやくみさをさらに責める今田。

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結城みさの魅力ってなんだろうと考える。
柔らかい物腰だったり、どこまでもつき合ってくれそうな人なつっこさだったり、いたずら好きでもあるし、勝ち気なところもある。
でも自分たちが観る結城みさはどこまでいってもAV女優としての結城みさなのだろう。

今田
「その彼氏と結婚してもAV女優になったかな」
結城
「ああー、旦那以外だったらたぶんAV女優をやってないと思います」
今田
「そっか」
結城
「うん」
今田
「ここで彼がさ、たとえば半年早くさ、指輪とかここで渡してたりしたらさ」
結城
「ああ、ぜんぜん普通に結婚してましたね」
今田
「結城みさは誕生しなかったんだね」
結城
「誕生しなかったです」
今田
「へぇーおもしろいね」
結城
「人生のターニングポイントの場所ですね」
今田
「おもしろいね」
結城
「でも一番、思い出、として、すごく、なんだろう、哀しい思い出というよりここはね、マリーナは楽しい思い出しかないから…」

そんな結城みさも、この2013年12月をもって引退なのである。
この作品はレビュー用にタートル今田監督から貰ったのだが、今度、12月25日に開催される真咲南朋監督が主催している結城みさの引退イベントには、買ってある「結城みさのすべて」を持参してイベント会場で結城さんにサインをねだろうと思っている。

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