淫語からエロの構造を考えてみる 

  • [2012/01/03 23:49]

みのる監督のこの記事なのだが、淫語にもいろいろ種類があるというのはマニアからすれば自明の理で、自分の場合は真性の淫語マニアでもあるので、淫語を使う作品の内容がSかMかなどはどちらでもかまわない。この記事の場合は主に痴女淫語とゴールドマンの強制淫語を例としてあげているが、自分の場合はさらに淫語テキストの朗読もいけるし、それこそ単なる淫語まじりのガールズトークでも興奮できる。要するに淫語が出てくればなんでもいいのである。
そのかわり痴女なら痴女としての完成された淫語が聞きたいし、強制淫語なら女性側を追い詰めて羞恥、戸惑い、諦め、被虐と表情の変化をちゃんと捉えている淫語が聞きたい。
その他、朗読ならやはり鼻濁音の使い方がうまい人がいいし、ガールズトークなら無防備な女性の言葉を聞いてみたい。街行く素人に淫語を言わせるなら生々しさこそ生命線だと思う。

ついでながら言っておくと、真性の淫語マニアというのは、なによりもまして淫語で興奮する人間のことであることは言うまでもないだろう。でもこういうフェチ心は意外と理解されていないようだ。
たとえば「いいセックス」をするために、いろいろ考えつくオプションの一つとして「淫語」というスパイスを使ってよりエロくするというのが大方の認識だろう。
だが真性の淫語マニアというのはそうではない。いいセックスのためにいい淫語があるのではなく、いい淫語が聞きたいから、いいセックスが必要なのだ。
目的と手段が逆なのである。

これは淫語に限ったことではない。フェティシズムやパラフィリアのほとんどがそうであり、だからこそフェチは性倒錯とも言われるのである。
だが自分は思うのである。簡単にフェチだ、性倒錯だと言うけれど、もともとエロの本質というのはそういうところにあるのではないだろうか?
実はエロに対してノーマルだと思っている人も、セックスそのものがエロだと思っている人は少ないのではないか?

もしも単にチンコがマンコに入ることをもってセックスと呼ぶのなら、それは単なる生殖行為でしかない。その場合、セックスの目的はエロスではなく、あくまでも種を残すためのものである。エロと生殖は同じわけではないだろう。
厳しくいえば、子どもを作るため以外にセックスをしてはいけないのである。
しかし、エロは違う。エロは子どもを作る目的で存在する感情ではないだろう。関連はあるが同じものではない。

エロが官能という言葉に置き換えられるなら、まさにエロとは感覚のことである。それはまさに感覚器官を使ってなされる何かということにほかならない。
ならばエロとはチンコとマンコが出会うことではない。性行為そのものというより、そこにまとわりつく感覚や感情なのではないか。それはふだんは心の奥深くに沈殿している澱のようなものだ。ある刺激を受けて、心の水がつまったビーカーが激しく揺さぶられると、とたんに欲情という澱カスが吹き上がって心の隅々まで拡散する。

そんなイメージで、フェチがわかればエロの本質がわかってくるのでないか。それが淫語AVマニュアルをはじめたことの意義でもあった。

これは決して観念的な話ではない。
こちらはこれ以上ないぐらい具体的な「コト」を扱っている。すなわち、AVで実際に話されている会話を抜き出し、さらにそこでいわれているマンコやチンポといった淫語の数をカウントしているのである。
そんなことをやっているヤツは世界中探したって一人もいない。
しかしそんな一見、無意味な数をかぞえていくと、そこには確かになんらかのメカニズムがあることがわかってくる。
そこを追求して面白いと思えたので五年間もつづけられたのである。 しかも自分にとってはエロそのものを扱っているので冷静に数をかぞえるのも一苦労なのである。油断するとオナニーをしてしまいそうになる。股間に伸びるその手を思いとどめてAVを観つづけるというのは、非常なタフさを要求されるのである。
これは一種の苦行だ。その先に悟りがあるのかないのかわからないまま、いまだ煩悩にまみれた荒凡夫の姿をさらしつづけているのである。

そういった事例研究の上に、淫語を通してエロを考察していくのが、淫語AVマニュアルであり、このボヤキの小窓であった。

そんな自分が、AVではなく実際の女優さんを使って、淫語とエロについて考えられる機会を得た。相手は映像ではない。生身の女性である。
もちろん相手は仕事でくるわけだが、それでもこちらは淫語研究家である。彼女たちからするとまず聞かれることのないようなおかしな質問をいろいろしていたりする。
その答えを聞いて、自分は一人ほくそ笑んでいるのである。

変態である。
我ながら狂っていると思う。
しかしものすごく愉快なのである。
撮影もそうだが、監督面接なんて楽しくてしょうがない。

しかしだ。
そうなるとやはり映像と生とでは違う。
予想するだけで確認できずにいた様々な仮説が生のやりとりで実証されつつあって、それはそれで大変に満足なのだが、そこからさらに新しい感覚が生じてくる。
どうやらMotheRsに参加することにより、それまでとはまったく違う、まったく新しい地平線から見た、まったく気づけずにいた淫語のエロメカニズムを探り当ててしまったようだ。
実は今年の9月からこれが妙にモヤモヤしていて判然としないのであった。なかなか言語化できずにいたのである。

そこで次回、それを少し書いてみようと思う。いつまでもこれらの問題を幽玄の彼方においておくわけにもいかないだろう。
ただしこれはあまりにもマニアックすぎるので、おそらく大方の人はどうでもいい話である。実はまだ二村さんにも話したことはない。
でもこういうのを書くのが淫語魔なのである。
淫語魔はもともと理屈オヤジなのである。
新しく生まれ変わった淫語魔Ⅱは、さらに輪をかけて理屈オヤジになるのである。

ということで続きは次の記事で。

日本語は音が少ないから返って個人差がでるのかもしれない 

  • [2010/11/23 23:24]

昨日、Twitterでみならい監督にゴールドマンはチンポの「ポ」のところを破擦音で発音するってつぶやいたんだけど、ちょっと基本的なことを書いておこうと思う。

日本語の子音の発声は音声学的に「声門音・両唇音・歯茎音・歯茎硬口蓋音・硬口蓋音・軟口蓋音」の7つの部位の点で音を作っていると言われる。
声というのは声帯と唇から出されるまでの息の流れで決まる。のどの開き、つまり声帯そのものを使って音を作るのが「声門音」、上下の唇の開き加減で音を作るのが「両唇音」、その途中、歯に当たる角度や舌の動きで口の中に音を作るのがその他の「歯茎音・歯茎硬口蓋音・硬口蓋音・軟口蓋音」と考えていいだろう。

たとえばマンコの「マ」は上下の唇を開閉したり窄めたりする両唇音で基本的に日本語のマ行はすべて両唇音ってことになっている。

これらは調音点というのだけれど、これとは別に息の流れ方で音が作られる「調音法」というのがあって、口の中の空気の流れを微妙に妨げることで、その音に彩りを加えることができる。
音声学的にはこの「調音点」と「調音法」で子音の発声は決まることになっている。

それで破擦音というのはこの調音法に入るもので、破裂音と摩擦音をくっつけたような言い方を言う。

そんじゃー破裂音と摩擦音ってなんだよってことになるが、破裂音というのは文字通り音を破裂させるような空気の出し方を言う。
日本語の場合、「パ行」はすべて破裂音でそういう意味では「ポ」は破裂音で発声していないとキレイな日本語とはいえない。

摩擦音の方はというと口の中を息で擦るような音で「サ」行なんかがそうだ。
たとえば「精子」という言葉だと「イ」という母音の前後を「セ」と「シ」の摩擦音が挟んだ形になっている。「裏スジ・マンスジ」の「スジ」も摩擦音でできてる単語だ。

もののついでにいうと「チンポ」の「チ」はまさに破擦音で「チンポ」は「破擦音+撥音+破裂音」で構成されている。
だけどこれはあくまで正しい日本語としてはそうだというだけで、「ポ」の母音の「オ」のところを摩擦音っぽく言えば「破擦音」に聞こえる。この母音が日本語の場合、ジョーカー的なところがあって、いろんな言い方が可能であったりする。
自分が「ゴールドマンはチンポのポを破擦音で言っている」というのはそういうことで、キレイな言い方なら「チンポ」の最後の音はちゃんと「ポッ」と破裂させないといけない。

ついでにいうと「マンコ」の「マ」は鼻音で「コ」は破裂音。
「キンタマ」だと「キ」と「タ」は破裂音。
つまり淫語というのは破裂音と「ン」という撥音の組み合わせが圧倒的に多い。
この「ン」という子音も他の音とくっつくことでいろいろ変化するので、あえぎ声という観点からも面白い働きをしてくれる。

もっとも実際にキレイな日本語で話している人はそう多くない。
共通語はともかく、方言となるとぐちゃぐちゃしている。
AVを淫語抜きするようになって思うのは不正確な発声の方が味があるように感じることだ。あえぎ声まじりということなら、文字化しにくい音がさらに淫声として響く。
もっとも淫語連呼の時は破裂音をきれいに破裂させた方がいいようにも感じるので、これはケースバイケースなのだろう。

ということでくだんのゴールドマンだが、「ポォ」と鼻に少しかける言い方をするので破擦音に聞こえるとつぶやいた。直前の「ン」という撥音が鼻に音をかけやすくしているので、その後の破裂とともに音を擦るようにして終わりやすいのではないかとにらんでいる。

あと淫語の場合、「オ」という母音が前につくことがあるのも大きい気がする。
このあたりはちゃんと追求しきれていないので、いまだ自分の中で結論は出ていない。

でもそんなことも淫語魔は考えたりして、淫語AVを見ているのだ。

この対談直後に抱き枕すあまさんがデリートしたんだよなぁ 

  • [2010/04/17 21:11]

WEBスナイパーの遠藤さんとの記事が掲載されました。
今回が最後ですねん。
なんか寂しいのぉン。

遠藤遊佐のオナニー平和主義 第68回 淫語AVサイト管理人に訊け! ~淫語セックスもいいもんです~
http://sniper.jp/008sniper/00846onanistic_pacifism/68av.php

ちなみに前までの記事はこんな感じ。

遠藤遊佐のオナニー平和主義 第64回 淫語AVサイト管理人に訊け! ~淫語深イイ話~
遠藤遊佐のオナニー平和主義 第65回 淫語AVサイト管理人に訊け! ~マンコとオメコの間にあるもの~
遠藤遊佐のオナニー平和主義 第66回 淫語AVサイト管理人に訊け! ~AVパッケージの罠~
遠藤遊佐のオナニー平和主義 第67回 淫語AVサイト管理人に訊け! ~淫語はグルーブ感~

しかし遠藤さんとは結局これ以来お会いしていないんだよねぇ。
機会はあったと思うんだけど、すれ違いというかなんというか。バレンタインデーのお返ししないといけないと思いつつどうやってお返ししするんだろうかって考えちゃってさぁ。
まさか自宅に送りつけるのもなんだろうと思ったりして。
なんかのイベントで東京に来るみたいなのは事前にわかることもあるんだけど、わざわざそのために行くのもストーカーっぽいようで気持ちワルいしねぇ。オレにはできねぇー。

まあでもそのうち会うこともあるでしょう。そのときなんかおごりゃいいかぁ。

それで遠藤さんが読んでくれた淫語台詞だけど、結局アウダースの雌女とWaapの淫語トランスの2本ということみたいだね。いちおう他にもいくつか録音してあったんだけど。
中には読めなかった原稿もあったりしてね。さすがにあそこのメーカー(あえて言葉をぼやかす)の淫語台詞は羞恥プレイだったみたい。
自分の他にももう1人、大洋出版の人がいたからねぇ。男性2人の前ではあの台詞は無理かと。

その遠藤さん担当の大洋出版・Iさんは、もちろんオブサーバーでずっといてくれてたんだけど、対談中、「この人誰かに似ているなぁ」ってずっと思ってて、「あっ、新日の中邑真輔だぁ!」と途中で気づいたら、なんかおもしろくなっちゃってね。
だって声も表情も似ているんだよぉ!
関係者各位、どう思う?

淫語≠隠語 で 淫語⊇陰語,卑猥語,痴語 

  • [2010/02/10 23:53]

よくよく考えてみれば、バレンタインチョコを誰から貰ったのか書かなければ、誰からも嫉妬されることはないのか。
おっちゃん、この人の文章にはすっかり眩惑されていて、最近になってこれはすごい文章を書く人なんじゃないかと思い始めた。
AVライターは数々おれど、この人の文章が一番好きかもしれない。

彼女は知れば知るほど深みがあるよ。
どのあたりにそれを感じるか、早く彼女に会った印象も含めて書きたいんだけどもうちょっとの辛抱。ついでに彼女の担当の編集さんのことも書きたくてしょうがないんだけどこれも掲載が確定するまでガマンする。


前にまだボヤキの小窓が本当にマニュアルの囲み記事になっていたときに、「淫語は隠語」なんて書いてしまったんだけど、あらためて考えると「淫語」と「隠語」は全然違うよ。

「隠語」というのはそのものズバリを言えないから代替語を用いるわけで、「松茸」とか「赤貝」とかそういうのが隠語になる。
つまり「恥ずかしい言葉」を避けて「恥ずかしくない言葉」に充当させているわけだ。
だから「淫語」を「隠語」と書くのは誤表記ということになるだろう。
おちんちんは淫語であって、隠語ではないのだ。

ほかに「陰語」という言葉がある。
「陰」とは性器のことで、「陰嚢」「会陰」などの用法がある。

前の文壇アイドル論における「おまんこ」 で斎藤美奈子の上野千鶴子批判を書いたが、そのときに引用した中山千夏の『からだノート』がまさにこの「陰語」という言葉を使っていた。
このとき中山千夏は「陰」を「女性器」に限定して使っていた。だけど「陰嚢」はキンタマ袋のことで、「陰」は必ずしも女性器限定ではない。
たぶん男根のことを「陽物」と呼ぶことがあって、そこから錯覚したと思うのだが「陰部」は男性女性関係なく性器のことだし、「仏様」はおちんちん廻りを「陰蔵相」と表して、「仏は股間がもっこりしていない」ということになっている。

この「陰蔵相」はいろいろ示唆的な考えがあってのことだが、その話はいずれ書くつもりの淫語魔的「オナニー平和主義」論を開チンするときに詳しく書こうと思う。

それでこの「陰語」は果たして「淫語」と同じかということだけど、「陰語」は言葉がかなり限定されるように思う。
「チンポ」や「マンコ」は陰語ではあるが、「精子」や「ケツの穴」は陰語ではないだろう。
「童貞チンポ」とか「ヌルヌルマンコ」も陰語とは言いにくい。
淫語は陰語よりももう少し広い意味があるようだ。

実はこのあたりの線引きが曖昧で、「乳首」なんかは淫語に準ずる言葉として入れていいんじゃないかと思ったりすることがある。
この言葉も言わせ方によって恥ずかしがる女性はいる。「おっぱい」もそうだろう。
もっともこれをカウントしだしたら本当に大変なことになるんでやらないけど。

ということで「隠語」は「淫語」ではない。
「陰語」は「淫語」ではあるが、「淫語」は「陰語」だけではない。

そのほかにAVでは「卑猥語」「痴語」という言葉を使ったタイトルの作品がある。
まずアロマ企画でよく使っていた「卑猥語」は下品なニュアンスがあるように感じる。
「卑語」「猥語」という言葉もそうだが、「卑」も「猥」ももともと差別的な意味合いを持つ字で、その字義から類推してもやや性器を貶めた言い方に受けとれる。
つまり「下品な淫語」というような意味合いが「卑猥語」にはあるとみたい。

もう一つの「痴語」の方は、かつてV&Rで「痴語女」というのがあった。
これは「痴女が使う言葉のニュアンス」で使っていたようなので、「痴女淫語」という意味合いがあるようにも思える。
「痴」というのは煩悩の意味もあり、性欲に狂ったニュアンスがある。

「卑猥語」も「痴語」も、それぞれ角度のついている「淫語」の一形態のように思う。


昨日はある人と4時間も長電話をしてしまった。
今日、マニュアルを更新するつもりが、予定が狂ってしまった。

明日は、ましろ杏のデビュー作を更新する予定。
今後の予定としては、その次がAVSの新作淫語もの。
それと中古で手に入れたムーディーズの新作。
その次あたりで雌女かなぁ。

人が見てなければ「ちんこ」「まんこ」のランクはもっと上のはず。 

  • [2009/06/17 11:59]

今日のレビューなんだが、動画のアップがちとままならない。
ということでFC2動画のテスト。


[エロ動画]【ランク王国】淫語王国 「○んこ」の○に入る文字って何ですか? FC2

最後の「ボイ~~ン」も( ・∀・)< エロいな

つーか、FC2動画ってよくよく見ていると著作権に関しては無法地帯だな。