ホラーとエロスは完全主観で面白いモノが作れると思う 

  • [2008/08/02 00:49]

今日UPした最オナについては、もう1作か2作上げるつもりなのでその時あらためて話そうと思う。 あえて一つだけ言わせてもらうなら、吉野文鳥監督の主観は今ひとつツメが甘い。

マニュアルには書かなかったけど車の騒音以外にも、ガサっと動いた音だとか、モノを落としたような金属音だとか、どうもスタッフがうしろで動きまわっている音が聞こえていた。
撮り方も昔に較べればよくなっているのかもしれないが、どうもこの人は主観撮影を根本的に理解してないんじゃないか。

なんてことを思っていたら渡辺琢斗監督がブログに主観についての話を載せていた。

渡辺琢斗の日常的悶絶日記 「主観映像」
http://www.avs-video.com/modules/wordpress/2008/08/01/470/

カメラアングルに関しても全く同意。
自分は昔から疑問に思っていたんだよね。なんで斜めや真横にしたがるのか。
構図の基本は天地水平の画面で、中心に向かう斜線やくねるような曲線をどう収めていくかでしょう。斜めに傾ける場合も斬新さをねらってのことであくまでも基本は水平画面のはず。絵画も写真も映画もテレビもみんなそう。
真横を最初に見たのは村西作品だった記憶があるけど、実際、いつから斜めや真横が横行するようになったんだろう。

それと主観映像についてひとつだけ補足するなら、この撮り方は1947年にアメリカで作られた「湖中の女」が初出だと言われている。
監督は俳優だったロバート・モンゴメリー。ハードボイルド好きならわかると思うけど、原作はレイモンド・チャンドラーの同名小説。探偵フィリップ・マロウをロバート・モンゴメリーが主観視点で撮っている。ただし作品の評価としては今ひとつ。
実はその前にオーソン・ウェルズもこのオール主観の映画を考えていたことがあったんだけど、どうも予算の折り合いがつかなくて頓挫したらしい。

その後、フランス映画でカンヌ映画祭に出品した「視線のエロス」(1997年)というのがある。
主人公は女にだらしのない中年男。そのダメ男とずるずる関係を続けてしまう若い女とのありがちな不倫を描いた作品で、これもあまりパッとしなかった。
フランス映画だから会話が理屈っぽかったりする。

ちなみに海外にも主観AVはある。
きっちりP.O.V(Point Of View)というジャンルとしてあるんだけど、日本の主観はカラミになるとたいてい男が仰臥状態なのに対し、向こうはイスに腰掛けているような状態が多いみたい。内容もチンポを前にした痴女パフォーマンスで、あまりにも男のチンポが長いので自分は今ひとつ感情移入ができない。(;つД`)

でも「視線のエロス」と日本の評判のいい主観AV作品を見比べてもらえばわかるけど、日本のAVの方が主観撮影に関してはかなり進んでいるように思う。
この間出していた佐藤江梨花の「癒らし。」なんてほんとによくできていた。

主観撮影の手法はまだ世界的にもちゃんと確立されていない。
それを確立させるのは日本のAVメーカーかもしれない。
そのうちアウダースや渡辺監督がアダルト以外の作品で活躍したら面白い。
グラビアアイドルのPVとかは今でもすぐいいのができそうだし、もっとノウハウを貯めてもらってなんらかの一般映像作品にも応用してもらいたい。

おっと、FLAGMAN監督も忘れちゃいけない。
新しい出発もひかえているみたいだし頑張ってちょ。