淫語おやじは会話文を重視する 

連休というのはゆっくりできるようで意外とできない。
さっきまで次回のを必死コいて淫語カウントしていたがタイムアウト。
そろそろ出かけなきゃいけない時間だ。
次のヤツは3時間近くあるもんだから、いつもよりも時間がかかるのだ。
上半期は月2回ってことが多かったから、しばらくは旧作のアップも増える。

それと「エロスの宇宙」以来、ムーディーズ不買期間に入っていたんだが、もう半年経ったことだし、そろそろまた買っていくつもり。まずは中古品で。マニュアルにもそのうちUPしていくかもしれない。

ディープスも実は「淫語」と冠してるタイトルなのに言ってないことがある。そのたびにキレるんだが、どうもここはレーベルによって違いがあるみたいだ。ちょっと今、地雷の避け方を学んでいるところ。


今、ある歴史ミステリー小説を読んでいるのだが、どうも会話文が気になる。
小説で会話文の扱いが稚拙だと読む気がそがれる。とくにそれが怪奇ものとなると自分は少し辛い。

会話文がうまいかうまくないかはいい小説家かどうかの試金石だと思う。
最悪なのはすべての登場人物が同じ口調やリズムだったりすることだ。
これがマンガならゆるせる。たとえばギャンブル漫画の福本伸行のように。
彼の作品は「アカギ」も「賭博黙示録カイジ」もほぼ体言止めで進行。
言い切る感じが、死線を見つめる男たちにとっては有効の会話文。
倒置法の使い方も秀逸。
まさにこれはギャンブルの空気をあらわす福本ならではの会話。

だけどさぁ、これを小説でやられるとどうも気になる。
結局、どの人格もその作家の口調で書いているわけで、そうやって脳の中の繰り言を書かれると、この人には絶対他者がいないんだなぁと思ってしまう。

その土地の方言、職業柄の言い回し、専門用語への目配り、男と女、あるいは子どもの話し方、そういったものの書き分けには不断の観察眼が必要だ。
世間的に名の知れた作家でも下手なヤツはいる。
でもそれを身につけないと、人物に厚みを持たせることができない。

もともと自分はヘミングウェイみたいな観察力に裏打ちされた文章が好きってこともあるかもしれない。彼は外観の描写も素晴らしいが、会話文も実に見事だ。

ヘミングウェイが作家として生きていくことを決めた若かりし頃、パリでの耐乏生活の中、次の言葉を自分に言い聞かせて書いていた。

All you have to do is write one true sentence. Write the truest setence that you know.
(しなきゃならんことはただ一つの本当の文章を書くことだ。おまえが知っているもっとも真実に近い文章を書くのだ。)『移動祝祭日』

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