「猫と遊郭」 次で打ち切りのその5 

二村監督からいただいた「江戸の遊郭と、猫は、関係が深いというのは、現代の独身女性が猫を飼うことがあるのと似てますかねえ?」というお題には続きがあって、ご友人のドルショック竹下さんが、「品川の郭を舞台にした『どぶねこ』という作品をレディコミで書いて」たのだが中絶されているので「また再開されるといいなー」ということだそうだ。

※追記 「品川」ではなくて「深川」の誤りでした。くわしくは次の次の記事に。
http://ingoma.blog.2nt.com/blog-entry-546.html

それで「どぶねこ」ってマンガを読みたくて探したんだけど、どうやらケータイのコミック配信サイト「コミックシーモア」で見ることができるらしい。
ただおっちゃん、基本的にケータイサイトって今ひとつ読む気になれないんだよね。

どうすっかなぁー。さっきから躊躇してるんだけど。

携帯でマンガを読んでみたい人は行くよろし。

どぶねこ
http://m.cmoa.jp/cc/amigo/regist_footmark.do?id=befa483f2f&titleMapId=49277

はじめて登録する人は315円で全8話、読めるみたい。

ところで二村さんは「品川の郭」と書いていたけど、細かく言うと品川に「郭」は存在しない。
自分もときどき間違って使ってしまうことがあるんだけど、遊郭の「郭」「廓」というのは「曲輪」とも書いて、基本的には特定の場所を取り囲んだ土塀のことをさしていた。
遊郭の場合だと堀があったり板塀で囲まれていたりする。それがやがて「曲輪」で隔離された妓楼のある場所そのものをさすようになった。

吉原には「お歯黒ドブ」と呼ばれる堀と板塀で囲まれ、郭内との出入り口には橋と門があって、そこからを出入りするようになっている。外界から隔離された場所なんだね。

一方の品川の場合は、品川宿の旅籠に「飯盛り女」という建前上は旅籠の従業婦がいて、それが春をひさいでいた。普通の旅籠の中にいくつか飯盛旅籠が点在していたわけで、「郭」で分離されていたわけではない。

これらのことを岡場所という。
吉原遊女は「公娼」だが、品川の場合は「私娼」ということになっていて、品川の岡場所は吉原よりも気軽に入れて安い分、容姿などは吉原よりもとんと落ちると言われていた。

ただし明治になると品川も「遊郭」が置かれるようなった。
というよりこの時代、売春する場所を隔離し、売春婦があまり自由に街中をうろつかせない施策が取られていたからで、正式には「遊郭」じゃなくて「貸座敷」って名称なんだけど、でも『品川遊廓史考』なんて本もあるし、「品川に遊郭が置かれた」みたいなことを書いている人もいるので、一般的に「品川遊郭」って言われてたんだろうね。

それでドルショックさんの場合、ブログでの説明を読む限り、

どぶねこ
誰も描こうとしなかった、てか描く気がしなかった臭気立ち込める私娼窟・岡場所で繰り広げられる遊女の恋草紙。

限りなくしょっぱい「負け組」遊女たちの悲しくも可笑しいショートストーリーに困惑せよ! ぷおー!!

2008-09-11 - 今日のどるちゃん情報

ということなので、吉原に劣る遊女のいる場所として品川の遊女にしたのかもしれない。
「岡場所」っていう言い方をしているので、江戸時代の話なんでしょうかね。
しかもキャラを見ると化け猫風で、これはあきらかに妖怪「化猫遊女」が念頭にありそう。

「化猫遊女」って言うのは、江戸時代に品川にいたと言われる妖怪で、結構、読本の題材に扱われることが多いんだけど、Wikipediaにはあまりくわしく書かれていない。
んでほかにないかと検索をかけても、みんなWikipediaの文章を転載しているだけで、めぼしいものがなかなかヒットしてこない。

ということで、以前、アダム・カバットが「化猫遊女」について書いていたものがあったから、ここからいくつか抜粋しておこうと思う。
そんでこの「猫と遊郭」の話の終わりとしよう。

ホントはまだいろいろ思ったことはあるんだけど、これ以上引っ張ってもねぇ。
以下次号。

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