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 2006年07月 

淫語AVのBGM 

  • [2006/07/17 10:11]

「最高のオナニーために」っていうと、出だしのBGMにベートーヴェンの「熱情ソナタ」を使っているけど、あの選曲はバッチリだよね。
なにより女優さんの声がかぶらない。
言っていることがはっきりわかって、うるさく感じない。
ま、おっさんの場合はウルトラセブンを思い出しちゃったりするんだけど。

ところが、同じムーディーズが出したオナサポ系の作品に「脳汁系 オナニーサポート 香山聖」っていうのがあるんだけど、これがひどいんだな。
いろいろ他にも問題がある作品ではあるんだけど、選曲がまずミスマッチしてる。

パケに「“音”と“淫語”と“チラリズム”が融合する」って書いてあるのよ。
ねらいはわかる。成功すればどんなにいいか。でも実際の仕上がりは、“融け合った”というより、“かき消し合った”って感じで、不発に終わっていると思う。

編集の仕方もブツ切れになっているので、正直、集中して見ることができなかった。
入り込めない作りになっていたら、トリップなんて無理だよね。
もし作り手が、この“集中できない感じ”を“焦らし”の効果だと錯覚していたとしたら、目もあてらんない。

目の付け所として「音と淫語」の融合は悪くない。
それにチラリズムを入れるのはいいだろうけど、なんでトランス音楽とか言って、打ち込みの機械音にしてしまうんだろう。これだとメインは音楽の方になってしまう。
AV見て、音楽が聴きたいのだろうか? もちろんこの作品自体は、音自体は絞られているから、音楽ビデオってわけじゃない。
オナニーサポートのAVにしようとした努力の跡は見られる。
でも、本当に言葉でトランスをさせようとするなら、リズムだけでいいはず。

理想は、お経やマントラ、あるいはゴスペルなんだって。
宗教的な音楽や節回しが一番、脳髄にくる。
お遍路さんがユーロビートのグルーブ感で48ヵ所も回ってないでしょ。鳴らしてるのは鈴の音。催眠術も、音を使うならそういう単調な音だよね、確か。
ユーロビートかけて催眠状態に入れるもんなのか?

「脳汁系 オナニーサポート 香山聖」には脳内麻薬がどうとかって書いているけど、言葉を聞きたい人間が、選曲したBGMだとはとても思えない。
それよか、ベートーヴェンとかドビュッシーとかサティとかのピアノ曲でも流した方が、よほどドーパミンがでたかもしれない。

香山聖ちゃんは、なかなか面白そうなコだっただけに、残念な作品だったんだよね。
淫語AdultVideoマニュアルに載せるのも、ちょっと考えてしまうような作品なんで、この作品について言及するのはこれで最後かもしれないけど。
彼女にとっては不幸な作品だね、すっごく頑張ってるのに。