数字は何を語るのか おまけ 

いかんいかん、やってしまった。
昨日アップしたデータで「13歳未満の相手とセックスをする」の表を「13歳になる前にセックスをする」と取り違えてしまったよ。今朝気づいてあわてて直しておいた。

実は今回はATOKでのタイピングの調子を見たいのと、ブログで表を載せた場合どんな感じになるのか知りたくて、あらかじめいろんなデータを打ち込んでおいたんだよね。だからストックしていたデータから貼るのを間違えてコピペしてしまった。
ほかにも入力の調子を見るために、この本からいろいろ抜き出してみたりしたのでいくつか気になったものを。

まずこの本には上野千鶴子と宮台真司の対談も載っかっているんだけど、やっぱりというかなんというか、上野千鶴子は毒を吐いていた。

宮台 10代に言及するときに、どうしても両義的にならざる得ないんだけれども、男の子の側に二極分解が生じているような気がします。粗製乱造エロ・メディアにどっぷり浸かってマスターベーションをして、それで特にディプレッション(抑圧)がないというタイプの人がとても増えている。他方で、マッチョを捨てて、パッシブな性的コミュニケーションについての許容度もあって、女の子にとってコミュニケーションしやすい、そういうタイプの男の子も、もちろん数は少ないんだけれども出てきていて、その間の距離は増していると思います。

上野 今おっしゃたことは、このデータそのものから出ませんけれど、よくわかります。前者のほうはおそらく晩婚化の担い手でしょうし、ストーカー予備軍でもありますね。

宮台 今、コミケとか同人誌系のイベントの参加者は30代男性がとても多い。まさに晩婚化の影響であると思います。たとえば13~14歳のグラビア・アイドルの地方営業イベントがあると、30代男が大挙してカメラ持って押しかけていったりする。そうするとアイドルの親御さんたちが、気持ち悪がるわけですよ。「いったいこれは何なんですか」と。でも、そういう人たちは、「変態さん」というよりも、そういう世代の人々がアイドル・ファンとしてついているのは、今や少しも珍しくない現象なのです。彼らには、おそらく仕事もそれなりにちゃんとあり、場合によっては晩婚化とはいえ奥さんもいるかもしれない。そういうタイプの性行動が、やっぱり30代の……これは20代ももちろんそうなんだけれども、かなり男の側に広がっていて、その事実があまり女性の側に知られていないという気がします。

上野 いやいや、知られてないばかりじゃなくて、女性は彼らを選択しないわけでしょうから。

宮台 そうだね。そりゃそうだ(笑)。

上野 だから、データを見ると、 40代以上の男女の既婚率はとても高いですよね。90パーセント前後ですから。これが年代が下がるとともに低下していく。30代以下は単なる晩婚化なのか、それとも生涯非婚かはまだわからないけれど、シングル率は高まってきていますから、今おっしゃったような二極化が起きるでしょう。その一方の層の方々は、結婚もせずストーカーにもならず性犯罪も犯さずに、そのまま生きていただきたい……。私は、これを「安楽死」と呼んでいますが(笑)。こういうことを言うと、また石が飛んでくるのよね。性的弱者差別だって。

170p~171p

自分もこのまま安楽死してやろうと思っていたりする。
余生を静かに暮らすというのはある意味、安楽死と言っていいだろう。

この調査からちょうど10年経つわけだけど、この番組を制作した森プロデューサーの次の言葉は今なおその問題を投げかけ続けている。

テレビには、様々な男女が登場し、様々な恋人たち、夫婦、そして家族が描かれてきた。また、男女の役割(ジェンダー)が問い直され、性をめぐる様々な事件が報道されてきた。しかし、いまだテレビは、性=セックスそのものに本格的に迫ったことも、性=セックスを通して日本の今を根底から見つめ直したこともない。

(中略)

 そんな我々が、「性に関する実態調査」を企画したのは、今から3年前、1999年の夏のことだった。「揺れる男と女の絆」という特集番組制作のためだった。  番組の企画意図は、ひとつの仮説に基づいていた。今、日本社会の中で男女の関係が大きく変わりつつあるのではないか、その問題を「男と女の絆」、ひいては「家族や社会の絆」のひとつの原点とも言えるセックスという観点から描きたいという試みだった。その動機は、とてもテレビ的なものだったと言える。

 当時の状況は、今(2002年3月)とさほど変わらない。テレビや新聞には、雇用機会均等法から男女共同参画社会などの言葉があふれ、企業や家族そして社会の中の男女のあり方が盛んに議論され、様々な変化が伝えられていた。一方、性の低年齢化や援助交際、老人の性、そして東電OL殺人事件、新潟・柏崎の少女監禁事件などの性をめぐる様々な問題や犯罪がセンセーショナルに報道されていた。さらにとどまることのない出生率の低下。少子化の問題が大きくクローズアップされたのもこの頃である。

 しかし、それらの報道や番組取材・制作に我々はもどかしさを感じていた。男女のあり方に関するものは、男女の性的役割分担(ジェンダー)の変化を追うものばかりで、性=セックスの問題を取り扱ったものは皆無に近かった。性をめぐる事件や問題に関しては様々な解釈や言説が飛び交うのみで、援助交際ひとつを見てもスキャンダラスな実態レポートが繰り返されるばかり、果たして何割の少女の問題なのかすら伝えられることはなかった。少子化の問題にいたっては、「子どもの生みやすい・育てやすい社会」や「女性意識」が論じられるだけで、産むことの前にあるセックスの問題は巧みに回避され、その謎自体が解明されることはなかったのである。

 日本社会の中で男女のあり方が急激に変化していることだけは確実である。そしてそれはジェンダーだけの問題ではなく、セックスと何らかの関係をもっているはずだ。しかし、我々は、日本人の男女の関係の根底にある性=セックスについて何を知っているのだろうか……。  

6-8p

NHKのいいところは視聴者に媚びない制作ができることだろう。是非とも10年経った「それからの揺れる男と女の絆」を作ってもらいたいものだ。

性の問題は人間の倫理や宗教の問題とも深く関わっていると思うし、身も蓋もない中村淳彦風に言えばAVは売春となんら違いがないわけだから、そのあたりも深くえぐってほしいね。

そもそも売春は本当にいけないことなのか。
いけないならどうしていけないのか。
それで救われる人はいないのか。
それともそんなことで救われちゃいけないのか。

金をもらわないセックスだからといって純粋とは限らない。
金品の授受がないからこそ、逆におぞましくなっちゃうセックスだってあるんじゃないかな。

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