「名前のない女たち」AVレビュー 

  • [2007/06/19 23:56]

AVopenチャレンジステージ「名前のない女たち」は、大阪の下町・十三から始まる。

1.中村淳彦が真咲ぴぃ子との待ち合わせ時間より早く着いてしまう。
2.ぴぃ子のいるデリヘルに 名乗らず潜入。
3.待ち合わせ場所に行き、ぴぃ子とあらためて挨拶。インタビューの開始。「欲されたい」
4.時間は少し進んで、AV女優として東京に出てきてしまうぴぃ子。
5.ゴールドマンとの言葉責めハメ撮り本番 顔射
6.時間は遡り 3の続き 「欲されたい」のはどうしてか。彼女の生い立ちが語られる。
7.大阪のぴぃ子の部屋 ハメ撮り 腹射
8.翌日、昼に妹が部屋に遊びに来る。2人で家族のことを語る。

ここまでが大賀麻郎登場前のあらすじ。
表4にある「摂食障害・リスカット・DV・家庭崩壊・SEX依存・軽うつ症」など、ぴぃ子の身の上話が赤裸々に語られていく。
話の中身はともかく、中村淳彦の「普通感覚」からの驚きや意識のズレが、さらに彼女の内面をうまく引き出していく。

中村が「どうして自傷行為をするのか」聞くと、彼女は「欲されたい、欲されたかった。淋しかった」と言う。
この「欲されたい」という言葉が前半埋め尽くされる。

欲される 「初体験が小六なんです。
どんな形であれ、欲されることを知って。
求められることを知って、求められることを欲するようになった」

誰といても
「誰といても、なんか満たされてる感がなくてぇ、いつか要らなくなっちゃう違うんかなぁ、と今でも思う。どんだけ好きって言ってくれてもぉ、何回、そんなアツい気持ち、男女を問わず、手紙もらっても、ハイヒールはいても、満足はなかった。女になろうとした次は。大人じゃなくて、人にぃ、欲される女ぁ? 男ぁ、欲しがる女、あきひん女…」

東京に来てとうとうAV女優になってしまったぴぃ子に、中村は次のような質問をぶつける。

中村
欲され具合が足りないってこと?
ぴぃ
ウン。
中村
欲され具合が足りないっていうのはどういうこと?
ぴぃ
なんか、存在意義を探してる、ずっと、多分。
中村
いや何で、自分1人だと、何で、存在意義ってわかんないもんなの?
ぴぃ
わからない。
中村
えっえええーー。
ぴぃ
でも………、わかんない。わからへん。何のためもあるし、どこにいったらいいんかわからへんし。もちろん、汚い…くはないかなぁ。お金も欲しかったりするし。お金、欲しいし。でもなんか、欲されたい、とにかく。

そして、いよいよカリスマ竿師・太賀麻郎の登場。

10.再び東京 太賀麻郎と顔合わせ
11.買い物 車の中でアイスを食べいろいろ話しかける太賀
12.ベッド 太賀との本番 しかし激しく拒否をするぴぃ子

最初の顔合わせの時から、2人の波長はあっていないように見えた。
決定的なのは次のやりとりから。

ぴぃ
エッチて結構、勝負事じゃないですか。
太賀
ん?勝負事。
ぴぃ
勝負じゃないですか?
太賀
勝負なの?
ぴぃ
SEXって。
太賀
勝負って、なんの勝負?
ぴぃ
なんか、けっこう、なん、なんて言ったらわからへんけど、なんか勝負みたいな感じがする。
太賀
ま、負けぇ? だって、勝ち負けがあるってことでしょ、勝負って。
ぴぃ
そう、やし、エッチをしたところで、どんだけ好きな人とでも、好きじゃない人とでも、しても絶対につながることなんてないもん。
太賀
えっ、つながんないの?
ぴぃ
うん。
太賀
じゃBまでだ。
ぴぃ
だから虚しーくなる。
太賀
えっなんでつながんないの? だって、つなが、ポコチン入れてるんでしょう? それって さぁ。
ぴぃ
ただの凸と凹で融合はしない。
太賀
ああ、なるほどね、それじゃダメだね。
中村
つながり持ちたいと思わないの?
ぴぃ
相手とですか?
太賀
うん。つながりって要するに、そのSEXしている間だけでもだよ。あのぉ、融合したら本人だよ。相手とも自分も本人ってことになる。
ぴぃ
でも融合することなんてないんやもん。
太賀
なんでないのぉ?
ぴぃ
そーあたしが感じないからぁ。
太賀
はぁ…。融合してみたらいいんだょ。ったらまったく、…あのぅ、別もんだから。そういうオナニーとかそういう快楽のみっていうのと。
ぴぃ
でも、自分が「この人」と思う人もいないし、別に好きでもない人と、融合とか、したいと思わんけど。
太賀
でも、はじめからあきらめてるのと、そういうことがあるかもしれないって思っているのと随分違うよね。
ぴぃ
でも、そんなん、なんやろ、アタ、数を打ったら、アタるやろうけど、そこまでしたいとは思わないし、興味がないし、面倒くさい。

このあとカリスマからいろいろ近寄ってはいくのだが、どこかうわの空のぴぃ子。このままうまくいくとはなかなか思えない展開。

神聖な部分 そして、カリスマを拒否。
問題のあのシーン。

「人には神聖な部分が絶対にあって、それが、それをさらけだすのが仕事であろうが、それで私が明日、自殺してしまったら、中村さん、どうする?
どうすんの、ほんまに?」

人には誰にも入ってはならない神聖な領域がある。

それを「人権」だとか、「人格の尊重」だとか、「パーソナルスペース」だとかいろいろいうが、とにかくそこは神聖にして犯さざるべき禁断の領域なのだ。

古来、その神聖な場所に入れるのは、「神」か「仏」か「悪鬼・魔民」のようなものだけなのだろう。そこは当人ですら特殊な意匠を身にまとわなければ入っていくことができない。
ぴぃ子が頻繁に化粧をしまくるのはそういうことなのかもしれない。

だからもしその聖域を、他人に土足で踏み込まれようものならとても生きてはいけない。世俗の言葉で穢されたら人は死ななくてはならない。

真咲ぴぃ子のあの言葉はそういう追いつめられた人の言葉だった。
あれは祈りの言葉だろうか? それとも呪いの言葉か。
おそらく当人もよくわかっていないだろう。

とにかく凄いドラマだ。

ただ、なぜこのような事態になったのか。
カリスマもよくわかっていないんじゃないだろうか。

自分はこれを見て、学生の頃読んだあるエッセイを思い出した。
上野千鶴子の「京都の街にガイジンとして暮らす」の中にある次の一節だ。

関西人はコトバを信じない。相手の言うことに、ひとしきりじっと聞き入ったあとで、こう反応する――「で、どないですねん」。言われた方は、困惑してアゼンとする。たったいま、全部言ったところでしょう。えっ、聞きました、で、どないですねん。東京人は、ここで呆然として、匙を投げる。関西人には、ニホンゴが通じない。――私は、そう言って嘆く東京モンを、たくさん知っている。そこには、タテマエはタテマエとして聞いた上で、コトバを額面通りには信じない、二重底のしたたかさがある。この態度は、タテマエをくずして、ホンネで生きよう、というナイーブさとも違う。関西人は、タテマエを信じないのと同じくらい、ホンネをも信じない。関西人が信じているのは、タテマエとホンネのずれだけである。

上野千鶴子『女遊び』所収 1988 学陽書房

これと同じことがこの作品でも展開されていた。

太賀
日記にも書いてあったけど、逃げてるって。でも、逃げ回ってても、いつまでたたって、ゴールできないもんね。スタートラインについてないから。
ぴぃ
何がスタートなんですかぁ? じゃ、スタートがあるんやったら、ゴールも絶対あるはず。
太賀
そうだよ、そうだよ。まず、スタートラインにつけば、ゴールは、いずれはするんだ、絶対。
ぴぃ
なんで、どこ、どっかに、何で向かわなあかんの?
太賀
いや、別にいかなくたっていいってことよ。
ぴぃ
じゃあ、いいんじゃない。
太賀
ん、だけど、あなたが生きてて、行動しているわけじゃない。そうでしょ、ビデオに出るんだって、自分自身はあったわけでしょう。でも、何かをするってことは、かならずそういうことが生じるんだよね。廻りの人もそれでうごくわけでしょ。
ぴぃ
うん。
太賀
したらさ、それなりに責任が生じるわけだよ。俺、責任、大嫌いだけどね。ホントは、ぴぃ子ちゃんはわかってるんだと思う…。
ぴぃ
わからん! 言ってることはわかるけど、わからん。
太賀
うん、うん。
ぴぃ
「だから何?」ってなっちゃう。
太賀
いや、「だから何」なんだよ。
ぴぃ
「だから何?」って…
太賀
「人生って何?」ってさぁ、俺は思うけどさぁ、そんなのわかんないよね。それね今と向き合ってないからだって。
ぴぃ
何で向き合わなあかんの?
太賀
先に進んでるから。人間、死ぬまで生きないといけないから。
ぴぃ
別に向き合わんでも、先には進むしぃ…
太賀
進まない!
ぴぃ
すすむ…
太賀
日にちは、日にちは経ってくしぃ、体も年取ってくよ。でも中身は何も変わってないと思うよ。それは気づいたときにスタートラインについてないからだと思う!
ぴぃ
でも、変わりたいと願ってない…
太賀
かわら、んいいとも思うよ。変わらなくてもいいと思う。いつまでもそのままでいいと思うよ。ピーターパンみたいにね、子どもで、ずっと、いた、いたいと思う、俺も。

めずらしく太賀が女のコに声を荒げるシーンがある。
相当、イライラしてたんだろうね。
最後の方は皮肉まじりの言葉を言ってるし。

問題はなぜ、あのカリスマのいつもの理屈がぴぃ子には通じなかったのか。
自分は東京モンのノリで大阪娘と接してしまったからじゃないかと思った。

上野千鶴子は、アメリカでのコミュニケーションセミナーの話を引いて、こうまとめる。

そのプログラムの中で、心理学者が受講生にアドバイスするのは、こういうことだ――コトバはウソをつく。カラダはウソをつかない。だから人間関係をうまくやりたいと思ったら、結局カラダの方にコトバを、つまりホンネの方にタテマエを合わせて、率直にわかり合えるように努力しなさい。

この「コトバはウソをつく。カラダはウソをつかない」というフレーズ、以前、このブログにも同じようなことをコメントしてくれた人がいた。
自分も、この理屈は全く正しいと思う。
少なくても東京では。

でも大阪・十三育ちの真咲ぴぃ子に、これは通じなかったんじゃないだろうか。

上野千鶴子はさらにこう続ける。

私はそれを聞きながら、関西人ならこういう時、どういうアドバイスをするだろうか、と考えていた。タテマエとホンネにずれがあって当たりまえ、だとしたら、そのずれを埋めなさいという助言は、いかにもアメリカ人的な単純率直さに思われる。関西人なら、ずれはずれのままで置いといて、そのずれを自覚し、操作しなさい、というのではないだろうか。

最後に、真咲ぴぃ子は太賀とのものすごいいやらしいエッチを展開する。
「死ぬ」とまで言って拒絶した真咲ぴぃ子が、なぜ急に態度をあらため本番をすることができたのか。
その理由は、まさにこの「タテマエとホンネにずれがあって当たりまえ」ということを、彼女なりに受け入れることができたからではないか。
彼女はナカムラさんを呪い、自分を呪ったと同時に、自分自身を言祝いで、新たな自分を受け入れたのではないだろうか。
関西の女は強いのである。

補足を読む

癒らし。 大人の恋愛Special版 レビュー 

  • [2007/06/13 22:50]

「癒らし。」には2つのシリーズがある。

1つは、もともと先行して作られていた「遠距離恋愛」。

ここで何度か紹介してきたけど、比較的若い企画女優を使うことが多いこのシリーズは「普段、すれ違いの続いている恋人たちが、久しぶりの逢瀬で愛を確認してまた別れる」というのがコンセプトになる。
「屋外デート」なんかがその設定に彩りを添えている。
街角にいる恋人たちは、それだけで十分、エロいということがこの作品の売りである。

そして、もう一つがこの「大人の恋愛」。

タイトル通り、少し人目を憚るような訳ありの恋愛をテーマにしている。
大抵は不倫設定になっていて、「いずれ別れることが前提の、忍ぶ一瞬の逢瀬」がテーマになる。内容が内容なだけに最初から何か切なさがつきまとう。

女優さんも熟女ものに出ている人がほとんど。演技も比較的うまい人が多い。
だいたい密会デートなので野外でのシーンは少なく、ほぼ室内でのやりとりが続く。
不倫を匂わす性質上、ある程度、視聴者になぜこのふたりが出逢い、愛し合うようになるのかという説明が試みられることになる。

つまり、「遠距離恋愛」シリーズと「大人の恋愛」シリーズはまるきり別物と考えていい。

自分は最初、この2つを混同して買ってしまっていた。
なので、新規のユーザーのことを考えたら、「大人の恋愛」の方のタイトルを大きくして、「癒らし。」という文字を小さくするべきなんじゃないかと思っていたりする。
間違って買うと、「なんだこれ!」ってなりかねない。
実際、アウダの固定ファンの中には、どちらか一方だけを好きという人もいるみたいだ。

癒らし。AVopen
さて、その「大人の恋愛」だが、ストーリーはいつも南★波王監督と女優との面接の中で決まっていく。
女優さんとの恋愛経験を聞いて、インスパイアされた監督がシナリオを書く。
AVに出演して人気の出るような女優さんたちなら、切ない恋愛話の一つや二つぐらいあるもんなんだろう。
それを巧みに織り込んでいく手法は、なかなかのセンスがないと書けないと思う。
実際、演じる女優さんたちは、毎回、気持ちが入り込みすぎてしまって、マジ泣きのSEXをしてくれたりする。

このシリーズ、それなりのクオリティーをたもっていて、自分は、ほぼ完成型に近づいているものだとばかり思っていた。
主観ドラマの可能性まで見えたような気がした。

だから、今回のAV openの出来には正直がっかりした。

1.暗がりでの姫野愛と夫の本番。
2.友田は職場、姫野は主婦としての日常シーン。タイトル。
3.友田真希が難病を告知される。思い悩む友田。
4.姫野とのお風呂でのイチャイチャ フェラ抜き。
5.友田が電話をかけ、会う。入院する話をする。
6.暗がりの姫野とのフェラ。
7.友田を見舞う。友田、自分は長くないことをほのめかす。
8.姫野が夫の行動に気づき、友田に会いに行く。
9.友田と残された時間を過ごすため、愛の逃避行。
10.出張と偽り、家に荷物を取りに行く。そのまま姫野を押し倒しエッチ。
11.ホテルで友田とエッチ。
12友田との生活シーン 友田とエッチ。
13.またエッチ。
14.朝、起きてみると友田、死んでる。友田の手紙。
15.夫が妻のもとに戻る。泣きながら迎える姫野。

こうやって書きだすとよくわかるが、とにかく構成が酷い。
バランスも悪い上、余計な話が多すぎる。
しかもカラミ以外の演出は、チョーど下手。
とても鑑賞に堪えうるものではない。

たとえば真希さんが「私、もう助からないかもしれないの」ってさりげなくつぶやく。
それを聞いた男が動揺して囓りかけのリンゴを思わず落としてしまう。
コレを見て

「そうか、こういうとき、男はこんな風に慌てちまうんだ…」

なんて思うだろうか?

これこそ猿芝居だ!
こんな感じで演技過剰の芝居が続き、シリアスな話なのに感情移入ができず、そのせいでカラミも嘘くさく見えてしまう。

自分は、この作品を見て確信した。

これ、カラミだけ抜き出してみると、今までのシリーズの中で実は一番よかったりするのだ。
芸達者な女優さんたちの反応もさることながら、なにより撮り方がいつもより丁寧できめ細やか。主観男優の手の動きもこれなら及第点だなぁと思った。

姫野愛 癒らし。AVopen
たとえば、この姫野さんの風呂場でのイチャイチャシーン。

えっ もうー
お風呂 あがってからね
…もう しょうがないなぁ

友田真希 癒らし。AVopen
これ←なんか、やはり友田真希はただものではない。

おっきい手
だーい好きだった
今もきっと…

アナタのこの手も 声も 私を見てくれる目も 全部好き

で、あらためて思った。
どんなにカラミが良くできていても、それをつなげる部分がお寒いものだと、作品として駄作になっちゃって、ひいてはカラミそのものもおかしく感じちゃうんだ。
結局、どんな風にカラミに入るかってとても重要なファクターなんだ。

この作品は、とにかくいろんな意味で全体的にしゃべりすぎ、表現させすぎ。
時間が190分、3時間10分もあるんだけど、そんなにはいらない。

まず構成だけど、自分なら「4に本番も入れて→5→7→10→12→13→15で友田の手紙を姫野から渡させて→8に戻り、終わり」でいいと思う。

それと男の独白テロップがかなりウザイ。
はっきり言って、これは監督の逃げだとすら思った。
今までは気にならなかったけど、この監督は、女心がわかっても、男心がわかっていないのかもしれない。
今後はテロップを使わずに、映像だけで勝負できるように苦労してもらった方がいいんじゃないだろうか。

結局、尺を長くしたら、作品の傷が思いっきり見えてしまったてことか。

でもさぁ、これをお読みの皆々様。
通常シリーズはこれよりも、もっと面白いんだよね。
南★波王監督にはさぁ、小説で言うなら、ハメットみたいなハードボイルドタッチの表現法を会得してほしいです。

不安だからくどいほど饒舌な表現をしてしまうのかな。
ユーザーはバカじゃない。
少々、言葉が足りなくても流れさえしっかりしていれば伝わるものだ。
むしろ、ユーザーの感受性を信じてほしいな。

つーか、友田さんや姫野さんに申し訳ないでしょ、これじゃ。
自分としては、ちょっと個人的な思いもあってさ、リメイクしてもらいたいぐらいだ。

ということで、このAV openで、「癒らし。 ~大人の恋愛~」を判断されたらとっても困る。
このシリーズが本来、どういう趣向のものか知りたい人は、南原香織さんの癒らし。 ~大人の恋愛~あたりをお薦めする。
友田さんのや風間さんのでもいい。

そんで、これはなかったことにしよう。
そうしよう。

七海菜々 癒らし。 「ねえねえ手を繋がない? 私たちさぁ、あんま手、繋いだことないじゃん」 

  • [2007/05/27 12:54]

癒らし。33
今回の七海菜々さんの癒らし。は、彼女が久しぶりにパイパンになってくれたということで、七海ファンの間では話題になっていた。
パイパンになった理由も、彼氏が前からそれを望んでいたからという設定で、まあ、そういうこともあるかなぁって感じ。
もともとこのシリーズは喪が薄い傾向にあって、今回もそれなりに薄かったから、そういうところで満足する人はいるかもしれない。

もっともハードプレイが好きな人は、相変わらずのゆるゆる仕様だから、これ買って文句を言わないように。
それはメーカーが悪いんじゃなくて、買ったあんたが悪いわけで。

最後のシーンなんてさ。
3分ぐらい菜々さんの顔アップのみなんだから。
「ハメシロは?」とか言っている人は悲しい結末を迎えることと思いますね。

もちろん、その間、菜々さんはゆっくりと閑かに愛を囁いている。

好き
ねぇ、大好き。好き、ね、好き。
ああんああん、気持ちいい。あぁ好き、ああイク。
ねぇ、一緒にいきたい。ホント、一緒にいきたい、ホントに好きだから。
ああんああん、一緒にいきたい、ねっ、一緒にいこう…

その時の菜々さんの声はどこか甘くせつない。
そしてそのまま顔射に。

せっかくパイパンにしたのにね。
でも、これが「癒らし。」
この撮り方で間違っていない。

「見るんじゃない、感じるんだ」の世界。

パイパンがたっぷり見たい人はマングリ・指マンとか、悌毛&オナニーがあるからそこで堪能しましょう。
まあ、ハメシロも極端に少ないわけじゃないし、自分なんかはこれで十分だけどね。

あー、騎乗位時はバッチリ見えているかな。
そこで勝負しておくんなまし。

1.待ち合わせ (ここどこ?)
2.海の見える公園でデート
3.ラブホテルで本番 胸射 お掃除フェラ
4.ワンボックスの車の中でフェラ
5.シティホテルで一泊 浴室で悌毛 オナニー
6.翌朝のエッチ 顔射
7.桜咲く橋の上でお別れ

今回のストーリーは話の持っていき方がちょいご都合主義。

たとえば2で「追いかけっこ」をするという設定があるんだけど、これの意味がわからない。
単に、この画を撮りたいだけなんじゃないのかって気がしてしまう。

4にいたっては、ホテルに行くのにレンタカーを借りる必然性がないと思う。
しかもワンボックスって「お子さん連れですか?」って感じ。
もしも「車内でのフェラのシーンっていいよね」「それ撮りましょう、私、好きなんです」みたいな会話が制作側にあったら最悪だよなぁ。

まぁ、アウダースはそんなユーザーの感性をコケにするようなことはしないはずだけど、AV見ているとそういうのが多いからさぁ。
なんで金払ってこんなものを見せられなきゃなんないのって思うことがしょっちゅうある。
そういう時なんだよね、AV見ていて疎外感に見舞われるのは。

ストーリー以外は、前よりよくなっている。

同じ服
今回は男性がミュージシャンを夢見て上京して、貧乏暮らしをしているということになっていて、それを踏まえたセリフが何度か聞けた。

たとえば、海の見えるベンチで、

「なんかさぁ、その服、いっつも着てない? この前も着てた気がする」

自分もこれに近いこと言われたことあるなぁって思ったよ。

自分の場合は貧乏学生で、当時つき合ってた彼女が同い年。彼女は短大生だったものだから、先に社会人になっていてね。
「丸の内OL」で、しかもバブル絶頂期の頃。
それなりにオシャレとかにも気を配っていたんじゃなかったかな。

自分の実家はそんなに裕福でもなかったから、バイトと奨学金で生活しなくてはならなくて、だから自分の誕生日とかに、彼女から服なんかもらってた。
今思うと、あまりにもみすぼらしいカッコだったんだろうな。

そんなことを思い出しちゃった。

ホテルに急ぐ
他にもラブホテルに急ぐ彼氏を、いかにもしょうがないなぁって顔で

「(ホテルに)はやく行きたいんでしょ…(笑)。焦んなくたっていいじゃん、別に。せっかくさぁ、デートしてるんだからさ。ゆっくりデートさせてよ」

と笑いながらついてくる菜々さんなんかもリアルなんじゃない。
そういう感じのセリフがいくつかあった。

だからデートらしいデートが最初だけなのが食い足りないかな。
いつもエッチとエッチの合間にも、あったりするんだけどね。

カラミのシーンはアウダらしい主観基準。
フェチ度の高い映像が満載。
男優の手の動きもだんだん良くなってきている。
もっとも、まだまだ頑張ってほしいんだけどね。

七海菜々さんは、キレイな目とクリアな声をしているので、演技にもっと磨きをかけてくれれば、小泉キラリのような感じの主観映えする女優さんになると思う。
まあ、雌女もあるから、そっちも期待。

淫語は、最初のカラミで、
「すっごーい、おちんちんカターい」
「私の毛のないおまんこにささっているとこ、いっぱい見えるでしょ」
の2回。
悌毛シーンで、クリトリス2、クリちゃん1
最後のカラミで、 「あーん、お尻の穴は、恥ずかしいよ」
「ねぇ、おちんちんが当たるんだけど…」
などのほかおちんちん3の全部で10回ぐらいのはず。

サンプルはココ→ アウダースのHP 七海菜々 癒らし。 VOL.33

それで、学生の頃つき合っていた彼女なんだけど、1万円、借りたままになっていたことを今、思いだした。

大沢佑香の「癒らし。」VOL.32 レビュー 

  • [2007/05/20 13:19]

確認にしておくけど、「癒らし。」というのは「遠距離恋愛Virtual story」ものである。

もしもアナタが、気に入った女優さんが出ているということで、この「癒らし。」シリーズを見てみようと思ったのなら、そこのところは気をつけなくてはいけない。

この「癒らし。」は、従来のAVの文法で見ると、かなりヌルい作品なのだ。

強烈な言葉責めもない。
女性の肉体を縛ることもなければ、連続でイカされつづけ、苦悶の果てに忘我の表情を浮かべる女の顔もない。
デカチンの男が出るわけでもない。
主観だから、激ピストンで突きまくるなんてどだい無理。
当然、アクロバットな体位があるわけでもない。
3Pなんてありえない。それは主観好きが一番嫌うシチュだ。
そういうのを含めて激しいファックを見たい人はこのシリーズ、避けるべき。

というより、主観作品なんて見るべきじゃない。
これは、そういうところにエロを求めていないジャンルなんだから。

癒らし。32 んで、大沢佑香の「癒らし。」

従来以上に、デートシーンは工夫されていた。
今回はできるだけ自然光を活かすようにしたのだろうか。
逆光の中での大沢佑香のシルエットが生々しかった。

1.駅で待ち合わせ 八百屋で買い物
2.彼氏の部屋のキッチンでの彼女へのイタズラ 立ちフェラ
3.ベットにいってエッチ マングリ 本番 お掃除フェラ
4.野外デート 商店街 公園で手作り弁当を食べる 軽く体に触りまくる
5. 茂みに誘い野外フェラ ごっくん
6.ラブホ? お風呂の中で乳繰りあい 指マン
7.ベッドで相互オナニー エッチ お掃除フェラ
8.駅でお別れ

手を繋ぐシーンが増えた。

癒らし3201 仕事で手が荒れるという彼女にハンドクリームを買ってあげる彼氏。
それを早速、手に塗った後、

「あー、ちょーツルツルになった。スゴいイイ感じぃ、しっとり。しっとりしてない? (男に手を握らせ)ね! …なんかヌルヌルしてエッチぃ、あは! はは、ありがとう、毎日使おう…」

恋人によっては、何気ない会話の中にエロがある。

だが、今回の「癒らし。」も、設定自体に曖昧さが残っていて、会話などに奥行きが感じられない。まだ細かさが足りないのだ。
さらさんの「癒らし。」でも書いたけど、この「癒らし。」の生命線は心理的なやりとりがどこまでうまく表現できているかであり、そのためにもまず設定の細かさがとても重要なのだ。

ただ、そのあたりの問題は次の七海菜々「癒らし。」でかなり解消されていたので、詳しい話はその時にあらためてしようと思う。

淫語の呪縛にかかっている人間が言うのもなんだが、「多型倒錯型」のエッチばかり作り続けているAV業界にあって、この「癒らし。」のような作品はアンチテーゼなのだ。

確かに、今、買っているAVユーザーのほとんどは、激しいファックシーンのあるエロスを求めているのかもしれない。
でも、だからこそ、AVをほとんど見ないで過ごす潜在的ユーザーも多いんじゃないだろうか。
自分は、淫語の縛りがなかったら、今のセルAVは見なかったし、絶対、買うなんてコトはしなかった。
あまりにもエロが偏りすぎている。
最初は疎外感すらあった。

フロイトの説が正しければ、社会性が培われていないコドモのようなメンタリティーだから、アナル姦みたいなものが好まれるってことになる。

もちろん、自分はその世界を無下に否定はしない。
自分の中に幼児性があることは認めるし、それをもって自分を卑下する気は毛頭ない。

癒らし。3202 でも、こうも似たような作品ばかりだとねぇ。
直截的で、ことに視覚のエロスのみに重点を置いたものは、いずれ飽きられると思うんだよね。

これは一見、視覚的なエロに考えられがちなSMにもあてはまる。
SMというのは、本来、主従の信頼関係に裏打ちされたものなんだよね。
もっと高度な大人のエロスだったんだ。

で、…えーと、お約束なんだけどさ。
淫語は野外フェラで「チンチン、ちょっとおっきくなってる」ぐらいだったかな。
淫語カウントはおざなりなので聞き逃しているかもしれない。

サンプル→ 癒らし。VOL32 大沢佑香

さら 癒らし。31 「今、お尻ぃ見てたでしょー」とさらは言った。 

  • [2007/05/08 15:09]

「癒らし。」シリーズをまだ見たことがない人には一言、注意しておきたい。

このシリーズを見る時は、近くに鏡があったら隠そう。
窓ガラスの反射でもまずい。
これは鉄則といってもいい。

もちろん、これから抜くって時にいちいち自分の姿を確認するヤツはいない。

だが、しかし。

この作品のデートシーンなんかを見ているとどうしてもニヤついてしまう。
好きな女優が出ているときは特に。

そんな時。

ニヤつきながら竿持っている自分を、窓ガラスの反射かなんかで見てしまうと、激しく鬱になる。
死んでしまいたくなる。

これは、そういうシリーズだ。

さら 癒らし。
今回のさらさんの「癒らし。」
デートシーンは、いままでで一番の出来。
撮り方もバッチリ。
なんど、ニヤけてしまったことか。

自分は美波さらをそんなに見てきているわけではないが、彼女のこんな表情を見られるなんて、思いもしなかった。
彼女はこういうステキな笑顔を浮かべることができるんだな。
びっくりだよ。

この作品は、2枚組。
「本編」と「サイドストーリー」

おはよう
寝ている彼の上に体を重ねていちゃつく。
のっけからこんなセリフ。

「あっ、朝だから、おっきくなってるぅ」
「ねぇ、まだ起きないの? 起きてってば~」

そのあと、キスがらみのイチャイチャ、乳くりあい。

本編は
1.2人で旅行に行く日。まだ寝ている彼氏の部屋にやってきて起こすさら。
2.キッチンで尻弄りとフェラ→そこからベッドに移り本番。
3.温泉宿 炬燵 浴衣姿のさらを後ろ抱きでイチャイチャ。指マン止まり。
4.温泉の中でエッチ。

本編のストーリーはエロゲーのノリ。
自分としては、つまんない展開。
現実感が薄いというか人間がガラス人形のように見えて、ビビッド感が足りない。
撮り方も2なんかはあまりよくない。アウダースにしては珍しい。
これだと「癒らし。」の固定ファンは納得できないと思う。

ただ、3はアウダースの片鱗を覗かせる。あそこのシーンだけは寄り、引き、構図、展開の仕方などさすがだと思った。

サイドストーリーは
5.屋外デート 駅→田舎道→街道沿いの歩道
6.川端→遊具のある公園→食事
7.公衆トイレでフェラ→神社→渓流ぞい
8.温泉宿でローターを使いながら本番
9.夢から覚めて、バイブオナニー

こっちも絡み自体はそんなにいいとは思えない。
特にバイブオナニーは主観映像を放棄しているってこともあるけど、バイブの音がうるさすぎる。
さらさんが「おまんこ、すっごーい」「おまんこ、こわれちゃう!」と、かすれ声で痴悦淫語を含め7回ほどかましていたが、聞き取りにくくてイライラした。
淫語を売りにしてないにしても、ちょっとあの五月蠅さはないのではないかと。

しかし、それでもあまりある、前半でのデートシーン。
ちょっと長すぎるのがあれだが、ここがとてもいいので、エッチが普通の描写でも全然、そのイヤらしさが損なわれない。
今までの「癒らし。」ファンはサイドストーリーの方がしっくりくると思う。

「癒らし。」の特徴の一つは、まさにここにあると思う。
デートとエッチが一つの繋がりになって、eroticさを醸し出していく。
だから、ローターとか、指マン潮吹きなどのプレイは枝葉なんだよね。
好きな女とのエッチなら、そんなものなくても興奮するでしょ。

「癒らし。」に必要なのは恋人たちのなにげない風景。
それが実はもの凄くエロいということの再認識なのだ。
だからニヤニヤしながら竿を握る。
本来、恋人同志のエロは全体を通しての流れで一括りなんだ。
そこでの、女と男の心理的なやりとりの中で、すでにSEXは始まっている。
それをうまく映像に表現してくれれば、そのあとのエッチは普通でもかまわない。
逆にエロゲーのようなストーリーは安っぽくなってしまう。
そんなのなら、SODとか桃とかがさんざんやっている。

ストーリーは私小説風味、スケッチ程度でかまわない。
たとえば、わたせせいぞうのような。

ごはん1
だって、こんな画や。→

「ねぇ、浴衣どう、似合う?」
「見るの、初めてでしょ」

こんな↓画があるんだよ。

「んっ? あーん」
「…美味しい?」

ごはん2 ごはん3

ほかに何がいるというのか。
このままの流れのエッチで十分なんだって。
スペシャル版ということで張り切ったんだろうけど、ちょっともったいなかった。
自分としては、1→5→7→6→3→4という流れにして、従来の「癒らし。」に近い感じでやってほしかった。
それに9を特典映像にするのもいい。

あまり大きく取り上げられないらしいが、美波さらは、これが引退作だそうだ。
いろいろ事情があるのか、さら名義での出演。
パブリシティーの問題で、大々的に宣伝できないようだけど、彼女の引退作がこの「癒らし。」でよかったんじゃないかなぁ。

猫じゃらし
だってこんな←顔したさらが普通にエッチするんだよ。
このあと、猫じゃらしを使って、お互いの顔をイタズラし合うんだけど、そういう何気ない恋人同士の痴戯を見せられたあとに、普通のエッチが展開される。

満足顔
そんでもって、最後はこんな→風に仕上がるわけだ。
こんな美波さらの引退作を、アウダースがあまり宣伝できないなら、自分が書きまくりたい気分だ。
表1に書いてある「ありがとう」の言葉は本編でも出てくるわけだけど、引退作での彼女の言葉を代弁しているかのように、唐突に入れ込まれている。

だから、美波さらファンでこの「癒らし。」を見たことがない人は是非見るように。
今までの作品では、見ることの出来なかった美波さらの表情を拝めるから。

その上で、言っておきたいんだけど、この作品は「癒らし。」シリーズの中でもそんなに完成されている方ではない。
森野雫とか、志保とか、瞳れんとかの方がよくできている。
仲咲千春もいい。
でも、このシリーズはまだまだ発展途上。
こんなもんじゃないでしょ、このシリーズのポテンシャルは。

一応、お約束。

淫語的には、最初の彼の部屋でのフェラで
「すっごい、おちんちんカチカチだよ」
の1回。
本編の温泉ファックで
「ねぇ、見てぇ、もっとさらのいやらしいおまんこ、見てぇ。ねぇ、もっと、さわってぇ」
「いやーん、お尻の穴、見えちゃう~」
「あなたのおちんちん、さらのおまんこに入れて、ねえ、いいでしょ、ねっ、入れて!」
「大好き、もっともっとおちんちん入れて」
の5回。
オナニーでのおまんこ4 おちんちん3の計7回。
都合、13回ということになる。

サンプルはここ→ アウダースのHP さら 癒らし。 VOL.31