二村ヒトシ監督の淫語 ひょっとして、その1? 

  • [2006/10/04 09:38]

ここのところ、二村監督の作品を新旧織り交ぜて、何本も見ちゃった。
この人の作品をこんなにたくさん見るのは久しぶりだった。

今回UPした「痴女行為中毒になった私たち さやかちゃん家の性教育」というのは、2002年の5月の発売ということになっているから、今から、4年前だね。
ドグマとして独立して1年後、少し落ち着いてきた頃の作品ってことになるのかなぁ。

おっさんが、その元祖シリーズにあたるSODの「痴女行為の虜になった私たち」を手に取ったのは、「長瀬愛」目当てで買った4作目のヤツ。
中古で1500円ぐらいだったかなぁ。
淫語こそそんななかったけど、良い作品だった。
愛ちゃんが背面騎乗で男を犯しているところを、間近で見ている南えりの目つきがとてもいやらしかった。

それから、次の中谷美香と沢賀名のヤツは淫語もたっぷりで、しかも面白い感じのを言わせているのが気に入った。
そういえば淫語を1、2秒のカットで畳み掛けるヤツは、ここで二村監督がやっていたんだっけ。
前に「紅音EROTIC BREATH」で書いたことは訂正しないといけないね。

その二村監督なんだけど、実は淫語的には、ちょっと情緒が欠けているような気がするときがある。
はっきり言って、淫語の余韻を楽しめるような作りになっていない。
いつものあの独特な編集のせいで、音がブツ切りになることが多いからとも言えるのかもしれないけど、自分はそれだけではないと思っている。

映像的には全く、文句のつけようがない監督だと思っていますよ。一つ一つのショットもそうだけど、何より細かい演出が、実にツボを突いているもんね。
特に2、3人の痴女ものを撮らせたら、やはりこの人を超える映像を撮れる人はいないんじゃない。

もうね、パンツの脱がせ方からして違うのよ。

1人が前を向いて脱ぐなら、1人は後ろ向きで脱ぐ。
しかも少しお尻を出し加減で脱いでみせる。
腰を軽く横に振りながら脱がせることもある。
でも、決して大げさに感じない。

他にも舌をこねくり回すようなキスや、さっき書いた交尾中の2人を、端から見つめるもう1人の女の子の表情と、それを映り込ませる角度なんかとてもいい。
未だこういう感じの視姦っぽい映像をたっぷり見せてくれるのは、この人だけのような気がする。というかこの人しかできない感じの視姦シーンだと思う。
これはさすがに完全主観の作品では、なかなかお目にかかれない映像だよね。端からジッと見つめるという感じは。
ものすごくフェチな映像表現だと思うよ。

だけど、淫語の使い方だけを見ると、自分にはいつも何かが足りない気がする。いや、そもそも淫語に限らず、セリフ自体にそんな気がするんだ。
今回の作品は、杉本まりえという淫語の申し子みたいな人がいたから、まだ救われたと思うけど、二村作品って有り体に言えば、言葉に愛情のようなものが足りない気がするんだよね。

絶対他者不在の淫語っていうのかなぁ。

確かに、自分の裡から出てくるような淫語はある。
それも1つの淫語だし、自分もそういう淫語は好きなんだけどね。
堤さやかちゃんはそういう淫語を言わせたら、とてもうまい女優さんで、今回の特典映像にも、さやぴーの心に直接、触れられるような淫語がたっぷり聞ける。

でも、二村監督の淫語って、どこか疎外感がある。ユーザーに興味を持ってくれた淫語じゃないというか。
痴女が男のためにいやらしい言葉を吐いているのに不思議な感じがする。
しかもね、最近の二村作品はさらにその傾向が強くなっている気がする。
カメラ目線で、「妹の処女のおまんこ、あなたにあげるわ」ってバッチリ言っていても、なんか違う。
コミュニケートしてこないんだ。

まぁ、そのことはまたいつかね、新旧の二村作品の台詞を一つ一つあげて、検証してみてもいいかなぁ、なんて思っている。
もっとも時間があればの話だけどね。