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 2009年07月 

夏日狂想 

  • [2009/07/05 00:17]

んん、やっぱり「由美香2005」が見たいぞ。

<お知らせ>
7/7(火),7/8(水)に上映を予定しておりました「由美香2005」が、諸般の事情により、松江哲明監督作品「あんにょんキムチ」に変更となります。
大変申し訳ございませんが、ご了承下さい。
7/7(火),7/8(水)両日に関しては鑑賞料金を特別価格の700円とさせていただきます。 ご来場、お持ちしております。

『あんにょん由美香』公開記念・林由美香×松江哲明特集上映」

いやそんなこと言われても、ものすごく楽しみにしてたもんだから困るんだよねぇ。

うちさぁ、ちょっとボケが入った母親がいるもんだからさ、帰りが遅くなるような外出をするときは関係者各位に事前に根回しする必要があってなかなか大変なのよ。
せっかく来週の水曜日、兄貴とか近所の人とかに声をかけていたんだけどこれでおじゃんですがな。

正直、「あんにょん由美香」なんかどうでもいいから、「由美香2005」を見せろなんて思っているヤツは自分だけじゃないんじゃないの。

おっちゃんも大人だからね。「諸般の事情」ってだけで納得してもらうしかない「何か」があったんだろうとおもんばかる気持ちもないではない。
頭ではわかる。

でもさ。予告編で平野さんが意味深なことを言っていたでしょ。

いま由美香の話やったら、たいへんなことだよぉ。ハッキリ言って。
俺は今、や、やれないね。
泣かすような真似すんなよぉ~。
誤魔化すような真似すんなよ~。

こんなことを言っていてそんで上映されないとなると、「平野は『あんにょん』の出来のひどさに腹を立てて引き上げたか」とついつい邪推してしまうよね。
「諸般の事情」だけですまそうなんて説明義務を果たしてないからね。700円にすればいいって話ではないでしょう。お金の問題じゃないんだから。それで納得するわけがない。

でもだよ。「誤魔化すような真似すんなよぉ~」って言葉に焦点を当てるから、「すわ、大魔神と化したか」と思うわけで、「俺は今、や、やれないね。」の方だったら、まるきり別の問題となる。

惚れてた女に死なれた男は、そのポッカリあいた穴をどうやって埋めたのだろうか。
いや、ちゃんと埋まったのだろうか?
平野の喪失感の方が松江より深かったから、それだけ自分の作った作品に完璧さを求めたのかもしれない。そして出せないと判断したのかもしれない。

真相はわからない。
なんてたってこっちは単なるAVファンに過ぎないからね。
そもそも「あんにょん由美香」ですらまだ見てない。

《春日狂想》

愛するものが死んだ時には、
自殺しなけあなりません。

愛するものが死んだ時には、
それより他に、方法がない。

けれどもそれでも、業(?)が深くて、
なほもながらふことともなつたら、

奉仕の気持に、なることなんです。
奉仕の気持に、なることなんです。

愛するものは、死んだのですから、
たしかにそれは、死んだのですから、

もはやどうにも、ならぬのですから、
そのもののために、そのもののために、

奉仕の気持に、ならなけあならない。
奉仕の気持に、ならなけあならない。

これは中原中也が自分の子どもを亡くしたときに作った詩。
5年前、自分はこの詩の一節を呪文のように繰り返していたことがある。

平野勝之が林由美香の死をどう受け入れたのか知らない。
この先、「由美香2005」を見ることができるのかそれもわからない。

でももし「俺は今、や、やれないね。」って理由でとりやめたのなら、そっちの「諸般の事情」の方がだらしない感じがあって自分にはいいけどね。
まぁ、怒って引き上げたって方が話としては面白いんだろうけど。