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 2006年08月 

個人レビューサイトの必要性 

  • [2006/08/24 12:36]

AVライターさんたちがやるレビューは、単純に読み物として読んでしまう。
でも読んでいて思うことなんだけど、淫語AVマニュアルみたいな切り口での書き方はしていない。
当たり前って言っちゃあ、当たり前なんだけど、でも自分がこのサイトをはじめたきっかけは、ライターさんたちの書くレビューに知りたい情報が書かれていないってことにある。

ライターさんたちはさすがにプロだから、その作品の内容がどういう雰囲気で展開されるのか、またそこに出演される女優さんが、どんな印象をもつかを的確に書いてくれている。
プロとなれば文章もこなれていて、たとえ短いセンテンスだとしても、ちゃんと内容を読者に伝えているとは思う。

でもね、自分からすれば、そこに書かれていることよりも、もっと大事なことがある。

淫語は言ってるの?」

たまには、レビューの中で淫語のことにも触れて「淫語もイッパイ」とかて書いてくれることもある。

「で、それは、どんな淫語を言ってるの?」

自分の場合は「淫語」だけど、こういう風に思うのは自分だけじゃないと思うんだ。
たとえば「騎乗位」好きの人間なら、「前後運動と上下運動とどっちが多用されているのか」とか、「着衣プレイ」が好きなら「最後まで服を脱いでいないのか」の方が重要な情報だったりするはずだ。
脚フェチなら、生足で足コキしているか、それともソックスやストッキングを履いてやっているのかが分かれ目になるだろうし。
その、ソックス好きだって、紺系のソックスか白ソックスかで興奮度が違ったりするかもしれない。
足コキも両足で挟んでやるのと片足で擦るのとでは、これがまた違う。

もちろん、こんなことを、ある1つの作品に、しかも他のありとあらゆる属性について、データ化してみせるのは無理があると思う。
いくらなんでも、ライターさんや編集さんが、全ての読者の知りたいことを先回りして言及したりするわけにはいかないだろう。

だから、うちのようなサイトの存在意義はあるんだと思う。

実際、淫語マの作品データの作成は、これで、なかなか骨が折れる。
淫語の種類なんかをカウントするのに、飛ばして見たりはできないし、早回しもリスキーだったりするのよ。「チンポ」と「チンコ」を聞き分けるのは、2倍速でもつらい。ましてや「チンボ」となると無理。
だから商業誌なんかで展開されるAVレビューに、そこまでの情報量を載せろとは言わない。不特定多数のいろんな属性のヤツがそのレビューを見ているわけだから。

でもさぁ、せめて「淫語」をタイトルに入れているような作品なら、その点を言及してくれてもいいよね。
それすらないんだよね。
雑誌で、そういうフェチ系の特集とかを組んでくれることもある。
たとえば「お尻特集」とかね。
でも、そういった場合も、女の人のお尻の良さを褒め称えている文章はあっても、その尻ペタをどう撮っているのかとか、鷲掴みにして開いているとか書いてあるの、見たことがないんだよ。
「最後は全部、尻射です」とか「ウン汁らしきものが出てます」とか、書いてあっても良さそうなのにねぇ。

ライターさんたちはたくさんのAVを見ている。知識も豊富。業界の裏側にも精通しているんだろうし、女優さんや監督さんたちとの親交もあるだろうから、面白い話はいっぱいしてくれる。
けど、買うときの大きな決め手になるようなことを、書いているとは思えないんだよねぇ、少なくても自分には。
淫語のないAV作品には、ハァハァできなくなっている自分って、かなり極端なユーザーなのかなぁ。
そんなこともないと思うんだけど。

結局、AV作品を買ってみなくてはわからないってことになっているのは、メーカーの広報さんとライターさんたちにも問題があると思うんだよね。実際、自分はライターさんたちの意見を読んでAVを買ったことは一度もない。
昔はあったんだよ。
薄消しを買っていた頃は。でも今はない。自分の好みがハッキリしてからライターさんたちの言及が無効化されはじめてしまったんだよね。

「総評」とかを淫語AVマニュアルでも書いているけど、あれはあくまで補足でね。やっぱり大事なのは、淫語の種類だったり、言い方・言わされ方だったりなんだよね。

所詮、AVライターさんたちの評論めいた文章は、どう取り繕っても印象批評でしょう、文芸評論で言うところの。
個人的な美のフォルムを価値基準とせざるを得ない印象批評は、評者がもっともらしく人類の普遍的な美を主張し、それを言及した気でいたとしても、結局のところ客観性は担保されていない。
その担保されてないところは、いろんなものに目配りされた、他の追随を許さない豊富な知識で埋めるしかないんだけど、これも限界があるわけだし、最後は人柄のいい文章が書けるかどうかで決まったりするのが印象批評の本質なわけで。

とにかく、自分にとって大事なことは、たとえば「如月カレン」が「責め痴女ハーレム完全版」で「おちんぽ」って口にしてるぞってことなわけですよ。
「おそらくはじめてなんじゃないのかなあ、こんなにたくさん、おちんぽ発言があるのは」とか、さらにいえば、「その言い方が、ただ言っているのでなく、ちゃんと言葉としてコミュニケートしているようにみえる」とか書いてくれた方が、嬉しいわけでして。

そんな風に、もし淫語だけに言及するAVライターがいたら、自分はこんなサイトを作ってないと思う。
でもそんなライターさん、喰っていけないだろうね。