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 2009年01月 

命短し恋せよ乙女 その3 

  • [2009/01/22 22:19]

ところでよく言われることではあるんだけれど、画面を通して見るのと肉眼で見るのとではずいぶん違うもんなんだね。
その現場に、とあるAV男優さんが来てたんだけど、画面で見るより顔がシュッとしている。こうして実物に会うとそれなりにいい男だった。

その日、キャバ嬢役で来ていたAV嬢たちは厚めの化粧をしているものの、よくよく見てみてると皆、幼く見える。
考えてみれば、自分に彼女たちぐらいの娘がいても不思議ではないんだな。
実際、自分と同級の友人にちょうど同じ年頃の娘がいる。そのコなどは小さい頃から見ているから、自分からするとどうしても子どもに見えてしまう。

そうなんだよ。自分はまずよほど誘われない限りキャバクラには行かない。
行かない理由の一つに、みんな子どもに見えてしまうっていうのもある。

でも改めて気づかされたよ。
画面を通してると大人っぽく見えたりするけど、実物は幼かったりするんだ。
そして自分はこれぐらいの女のコを相手にAVを見て、ハァハァ言ってゴニョゴニョしているわけなんだ。

うーーーん。

こんなあどけないコたちから発する「オマンコ」だとか「チンポ」だとか数えて、ああでもないこうでもないと考えているわけなのか。

うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。

閑話休題。

女性は恋している自分に気がつくと、急に少女のような顔をし始める。
これはたとえそれが70過ぎの婆さんになってもそうなんだから、女性にとって恋の魔法っていうのは恐ろしい。

そのときの彼女もそうだった。
急に思い出したように12,3才ぐらいの少女のような顔になった。
急角度に切れ上がった股ぐらにハンカチを置いたりして、なんだかモジモジしはじめる。

「こんな格好で話すような話じゃないですよね」

おっちゃんはしたり顔ですよ。
20才ぐらいの女の子とは人生経験が違うでしょ。
「自分から好きだというと、相手に負けたような気分になっちゃう?」とか聞いちゃったりして、あとあと考えてみると気持ち悪いオヤジだなぁ、自分。

「怖くないですか。どうなっちゃうかわからないじゃないですか」
「多分、(のめり込んだら)仕事も手につかなくなりそうな気がするんですよね」

「でも、恋から逃げてもね。もし次にもっと好きな人が出てきたときにさぁ…」

「いや、今はその人以外考えられないんです」

「うん、まぁそんなんだけどさ、今後の話として、あくまでも可能性としてだよ。もっと素敵な人に巡り会うかもしれないじゃない。その時に今、ここで逃げてしまったら、もっと素敵な人と出会っても、やっぱりその時、逃げちゃうことになっちゃうよ」

またまたそこからベラベラ喋ってさ。
そのうち彼女が「今何時ですか?」と時間を聞くようになった。
確かに撮影はかなり押している。渡された進行表通りならもうとっくに終わっていてもいい時間だ。

席の向こうでは主役の上原優ちゃんが、監督の主観カメラに語りかけて、艶笑を浮かべる。
もともとこれが見たかったんだった。カメラの高さや動かすタイミングを見る。

そのうち優ちゃんがカメラに向かってお尻を向け、そのままクネクネ腰を振り出した。
思わず「男って、バカだよねぇ~」と言うと「ホントですよねぇ」ととなりのコも一緒に笑う。
最初に較べてかなりうち解けてきた。口調も昔からの知り合いと話すような感じだ。
それでもすかさず「もう何時ですか?」と聞く。

それからは10分もしないうちに何時かと聞いては心ここにあらず。
彼の元に行きたくて、居ても立ってもいられないんだね。
こっちも彼のどういうところが好きかとか、AVの仕事をしているのは知っているのかとか、もし彼がAVを辞めろと言ったら辞めるのかとか、そういう話をして盛り上げるだけ盛り上げることにした。

実を言うとその時、本物のお酒が出ていて多少ほろ酔い加減だったっていうのもある。

でもね。基本的に自分は恋している女のコを見ているのが好きなんだ。
恋している女性はどんな人でも見ていて幸せになる。
これには年齢は関係ない。

ただ多少ヨッパラていたせいもあって、彼女のmixiのHNを聞いていたんだけど、それがなんていう名前だったか忘れちゃったんだよね。
だから恋の結末をmixiに書くって言ってくれてたんだけど、結局たどり着けずにいるわけなんですわ。

どうなったんだろうね。

まっ、いいか。
結末なんて。

たとえダメでもちゃんと彼女が一歩を踏み出せたなら、この先その失恋がいい経験になるだろう。
おっちゃんもそうだったしね。

彼女は、彼がAVを辞めろと言ったらきっぱり辞めるらしい。
最初、となりに座ったときはかなり醒めたことを言っていたけど、一皮むけばものすごく情熱的な女のコだった。