昔、完全変態と不完全変態ってぇーのを勉強したな。 

  • [2007/03/15 19:37]

今日、UPした「夢の超高級癒し系Wおでかけソープ嬢 完全版」を見ていたら、あらためて主観には2つの流れがあるなぁと思った。

1つはアウダースなんかがやっている「完全主観」。
これはあくまで「カメラの視点=演技者の視点=ユーザーの視点」で、かなりストリクトな主観映像のみで構成されている。

もう1つは、今日の「おでかけソープ嬢」みたいに客観映像をところどころ織り交ぜる主観モノ。
自分はちょい前から「不完全主観」と呼んでいて、淫語マニュアルにも去年の秋口ぐらいから「不完全主観」という表現をしてきた。

なんでそういうことになったかというと、2ちゃんねるの主観スレで、ストリクトな完全主観派と、主観にこだわると言うより、単に「男優の存在」を排除してほしくて主観ものに走る人間がいるということからだった。
そういう人は主観にこだわらず、時折、客観映像も織り交ぜてほしいと書き込んでいたんだね。

去年の6月のことだ。まだ現行スレが生きているから、いまでも確認出来るわけだけど、そこに自分が食いついてしまって質問してしまったんだな。
主観カタログのseburoさんにも話題を向けたりしてね。

要は主観に何を求めているかということだけど、自分は基本的に「主観」だろうが、「客観」だろうが、「ハメ撮り」だろうが淫語さえ聞ければいいんだけど、良い淫語を聞くためには、淫語だけが一人歩きすることはありえないので、まずよい映像作品であってほしいことには変わりない。
つまり、「主観」なら「主観」として、「ハメ撮り」なら「ハメ撮り」として優れているってことが大前提になってしまうわけ。
その上で淫語とリンクしている映像が撮れるかどうかということになる。

だから、ハメ撮りではどんなにカンパニー松尾の方が評価が高かろうが、自分にとってはカン松よりゴールドマンの方が断然、うまいと思っている。
ハメ撮りといえばゴールドマン。
彼が一番ですよ。そういう立ち位置だからね。わかりやすいでしょ。

んでね、主観作品の場合なんだけど、淫語作品自体が主観風の映像が多いってこともあって、必然的にたくさん見ている。
自分は、映像の完成度から言えば、アウダースが一番だと思っているんだけど、FLAG監督の主観ものは好きなわけなんですよ。
たとえば「四畳半ファック」ね。

あの作品って、主観側の男優さんにもの凄く表情があるんだよね。
要はヘタレな人で、就職活動がうまくいかなくて、献身的な彼女に対して乱暴な態度に出ちゃうとか。
彼がどういう人間かってことが、いろんな小道具やシチュでわかるような構図になっている。
確かに、そんなに完成度は高くないのかもしれない。
問題点はマニュアルにも書いたとおり。
だけど、そんな傷、大して気にならないぐらいよくできていると思った。

よく最近は「男優の個性を、出来るだけ排除する方向で作られる傾向にある」って批判している人もいるけど、それが主観作品を指して言っているのなら、まったく見当はずれだと思う。

それは演じるということがわかっていないんだ。

役者に個性なんていらない。
役者に必要なのは、個性じゃなくて役としての人物の存在感を示すこと。
むしろ役を演じているのに、いつも同じような個性を持っていたら、それは役者として下手ということになる。
新劇俳優じゃないんだから、演技において役者の個性なんていらない。演じると言うことは個性を捨てて、別のなにかに自分を昇華させていくことだからね。

だから男優さんは、自分の個性を捨てて、作品の中で新しい人格を手に入れなくてはならない。
でもAV男優って演技が下手だよね。別に演技の勉強をしてきているわけではないからしょうがないんだけどさ。

だからこそ、主観で撮る意義っていうのもあるんじゃないかと思う。
演技で難しいのは「台詞の言い方」と「目の動かし方」と「歩き方」だったりするんで、少なくても「声」や「目線の使い方」のリスクは減る。演じるところは「手」と「足」と「口」と「竿」だけってことになる。
「手」の演技も実は難しいんだけど、これぐらいはがんばって演じきってもらう。

完全主観というのは、そういう意味ではかなりおもしろい演技空間だと思う。
完全主観じゃなきゃ撮れない、きわめて濃厚な心理的エロ空間を現出させることが出来るんじゃないだろうか。
実際、自分の好きな完全主観モノはそうだからね。

そう言う意味で言えば「不完全主観」はまた別物なんじゃないかと思いだしている。
「完全主観」よりももっとフェチっぽい趣向のような気がする。

例えば「完全主観」だと、フェラシーンやハメシロの角度などが限定されてしまう。フェラの横顔とか下顎をとるようなショットは無理。
立ちバックなんかも下からのハメ具合を見るなんて画は撮れない。

そうなるとベロフェチの人とか、お尻好きの人とかは物足りないんじゃないかと思う。

今回の「おでかけソープ嬢」を見ていたら、そういうフェチっぽい感じのショットがたくさんあって、これはこれでよく出来ているなぁと思った。
だけど、「雌女」や「癒らし。」を見ているような感じで見たら、違和感があるかもしれないなぁとも思った。

ということで、主観モノは大きく2つにジャンルわけする必要があるんじゃないかっていうのが最近の自分の意見。
ここをごっちゃにすると、混乱するんじゃないかな。

最近、変な主観作品が多いからね。あえてどことは書かないけど、メーカー自体がわかってなかったりする。
そういう意味では淫語と同じだね。メーカーによって認識が違う。
でもそれってユーザーにとっても不幸なことだと思うね。